シミュレーション
最先端の分子動力学シミュレーションのためのプロトコル
クラス最高のツールで生体分子系をシミュレート
生体分子プロセスは、タンパク質、リガンド、溶媒、イオンが動的に相互作用することで成り立っています。多くの場合、これらの相互作用の細部を物理的実験だけで把握することは困難です。これらの現象の時間スケールが短いためです。シミュレーションにより、これらのプロセスのエネルギー特性を解明し、作用機序や性質が明らかにすることができます。
BIOVIA Discovery Studio は、クラス最高の分子シミュレーション・プログラムである、NAMD および CHARMm を利用しています。 さらに、ガウス加速分子動力学(GaMD)も最新リリースの Discovery Studio に実装されており、制約のない拡張サンプリングと自由エネルギー計算を同時に実行することが可能です。
- シミュレート
- モデル
- 探索
シミュレート
- CHARMm
- NAMD
- 露な溶媒分子系で MD シミュレーションを実行
- 露な膜溶媒のタンパク質分子系で MD シミュレーションを実行
- DMol3/CHARMm
- エネルギーの一点計算、またはハイブリッド量子力学 / 分子力学(QM/MM)シミュレーションを使用して受容体とリガンドの複合体の構造最適化を実行
- GaMD の実装により、制約なしの拡張サンプリングと自由エネルギー計算を同時に実行
- GaMD 平衡化を設定して実行し、必要なブースト・ポテンシャルを自動的にパラメータ化
- GaMD シミュレーションの実行と再実行
- 一連の MD トラジェクトリから自動エネルギーの状況を推定し、GaMD シミュレーションを統計的に再重み付け
モデル
- CGenFF、charmm36、CHARMm など、多様な力場をサポート
- MATCH 法でリガンドに charmm36 力場をアサイン
- CHARMM パッチ・メカニズムを完全サポート
- 非常に大きな分子系に対しても高速に露な水溶媒を付加、オプションでカウンター・イオンを含めることも可能
- 膜貫通型タンパク質に予め平衡化計算された脂質二重層膜で溶媒付加
- MD トラジェクトリの解析
探索
- シミュレーションの準備のために、タンパク質のイオン化と残基 pK の予測をすばやく正確に実行
- CHARMm ベースのドッキング・エンジン CDOCKER を使用して、柔軟なリガンドベースのドッキングと最適化を実行
- 複数リガンドのポーズ最適化を受容体内で実行
- ドッキングしたポーズの結合エネルギーを計算
- 自由エネルギー摂動(FEP)法を使用して、同種のリガンドの相対的なリガンド結合エネルギーを正確に予測
- Multi-Site Lambda Dynamics (MSLD)で、リガンドのコンビナトリアル・ライブラリの相対自由エネルギーを計算
- CHARMm ベースの Steered Molecular Dynamics (SMD)シミュレーションを使用して、リガンドの結合自由エネルギーを推定し、リガンドの乖離を研究
- CHARMm Poisson-Boltzmann (PB)方程式を使って静電ポテンシャルを計算
さあ、始めましょう
BIOVIA Discovery Studio で創薬を加速しましょう。
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分子動力学ソフトウェアおよびプログラムに関する FAQ
分子動力学(MD)シミュレーションは、時間の経過とともに原子と分子が物理的にどのような動きをするのかを研究するために使用されるコンピュータベースの手法です。特定の条件下で原子レベルの相互作用をシミュレートすることで、複雑な系の挙動を理解するのに役立ちます。
厳密に言うと、分子動力学(MD)法シミュレーションは、時間の経過とともに原子と分子がどのような物理的な動きをするかをモデル化するために使用される計算技術です。原子、分子、イオンなどの粒子の間の相互作用を古典力学に基づいてシミュレートし、通常はニュートンの運動法則を使用します。MD シミュレーションは、これらの粒子間の力を計算することで、時間の経過とともに位置がどのように変化するかを予測し、研究者はタンパク質、核酸、物質、材料などの複雑な分子系の動的挙動をさまざまな環境で研究することができます。
分子動力学シミュレーションは、薬物が原子レベルで標的タンパク質とどのように作用するかについての知見を提供します。これにより、研究者は、広範囲にわたる物理的実験を行わなくても、結合親和性を予測し、薬剤候補を最適化し、より効果的な治療法を設計することができます。
MD シミュレーションは、研究者が薬物と標的の相互作用を視覚化し、薬物結合の安定性を予測し、分子の変化が薬物の有効性にどのように影響するかを評価するのに役立ちます。これにより、潜在的な薬剤候補の同定が加速され、試験にかかる時間の短縮とコストの削減を図ることができます。
MD シミュレーションには、次のタイプがあります。
- 古典 MD (分子系の標準的シミュレーション)
- 加速 MD (配座の高速サンプリング用)
- 量子力学/分子力学(QM/MM) (化学反応のハイブリッド・シミュレーション)
- ガウス加速 MD (GaMD) (複雑な生体分子系のサンプリングを強化)
以下の表は、機能性、計算効率、系のサイズ、使用事例などの側面から、古典的な分子動力学シミュレーションにおける NAMD と CHARMm の主な違いをまとめた比較表です。
項目 | NAMD | CHARMm |
---|---|---|
主な機能 | 大規模な系の並列分子動力学シミュレーションに特化。 | 力場計算を中心とした分子動力学シミュレーション・ソフトウェア。 |
開発元 | Theoretical and Computational Biophysics Group (TCBG)が開発。 | Accelrys/BIOVIA が開発。 |
計算効率 | クラスターやスーパー・コンピュータでの並列処理に適するように高度に最適化。 | 小規模の系における効率を重視し、大規模な並列化にはあまり重点を置いていません。 |
サポート対象の力場 | 主に CHARMM 力場を使用しますが、AMBER (生体分子シミュレーション・プログラム)などもサポートしています。 | CHARMM (Chemistry at Harvard Molecular Mechanics)力場に基づく。 |
系のサイズ | タンパク質や膜などの大規模な生体分子系に適合。 | 小規模な系や QM/MM シミュレーションに最適。 |
GPU サポート | CUDA を使用したアクセラレーションのための広範な GPU サポート。 | DOMDEC および OpenMM による限定的な GPU アクセラレーション。 |
高度な機能 | ステアード MD、レプリカ交換 MD などの高度なシミュレーションをサポート。 | QM/MM シミュレーションおよびリガンド・ドッキングの強力なサポート。 |
使用事例 | タンパク質や膜の大規模で高性能なシミュレーションに最適。 | 薬品設計、リガンド・ドッキング、および詳細な力場解析に使用。 |
使いやすさ | 並列コンピューティングのために、ある程度のセットアップの複雑さが伴います。 | 小規模な系が対象の場合も、Discovery Studio に統合する場合も、セットアップが簡単。 |
コミュニティ・サポート | 大規模なユーザー・コミュニティを持つ学術研究で広く使用されています。 | よりニッチな領域で使用され、創薬の業界でよく使用されています。 |
BIOVIA Discovery Studio による分子動力学シミュレーションは、複雑な生体分子相互作用を正確にモデリングするための NAMD や CHARMm などの強力なツールを提供します。ガウス加速 MD (GaMD)でサンプリングと自由エネルギー計算を強化することで、研究者は分子プロセスを効率的に探索できます。このソフトウェアは、さまざまな力場や分子モデリング技術をサポートしているため、創薬には不可欠であり、ユーザーが原子レベルで相互作用をシミュレーション、モデル化、分析、解析するのに役立ちます。
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