低周波電磁界シミュレーション
静電、静磁、低周波電磁界シミュレーション
低周波電磁場と静電磁場のシミュレーション
低周波(LF)電磁場と静電磁場のシミュレーションを専門とする SIMULIA のツール・スイートは、磁石設計、高圧パワー・デバイス、電気機械開発に伴う難題を解決します。エネルギー、自動車・輸送機械、船舶・海洋、産業機械などの業界では、最先端の製品や革新的なシステムの設計に低周波シミュレーションを利用しています。
ユーザーの要件に柔軟に対応する SIMULIA のツール群は、各業界で幅広い用途に活用され、役立っています。その精度の高さは、医療機器や粒子加速器の百万分率の磁場均一性を確認する上で極めて重要です。永久磁石や超伝導コイルなどは、高度な材料モデリングとソリューション手順があることで詳細な研究が可能になります。フロントエンドは各用途に特化しており、高効率・高性能のモーター、発電機、変圧器のシミュレーションや最適化といった複雑な作業も容易に行えます。
低周波シミュレーションは、製品開発における開発時間、コスト、リスクを削減すると同時に、発電機、船舶、粒子加速器規模の大型で複雑なシステムをエンジニアが把握し、最適化するうえで役立ちます。
ヒステリシスや消磁などの高度な材料モデリングを目的の精度レベルで行えるため、設計者やエンジニアは安心してバーチャル・プロトタイピングを利用でき、設計から生産までのリードタイムを大幅に短縮できます。
低周波機器のほとんどは、電磁効果と熱・機械的効果の強い結合を特徴とします。SIMULIA は、システムの性能と信頼性に関する全体像を得るために必要な、物理挙動の連成を詳細に解析するクラス最高のツールを備えています。
低周波用途
- 発電・送電
- センサー設計
- 磁石設計
- 超電導磁石
- MRI 磁石
発電・送電のシミュレーション
変圧器、スイッチギヤ、バスバーなどの部品は、危険なフラッシュオーバーや漏電がないよう、大電流を安全に伝導しなければなりません。部品まわりの電磁場と電流、渦電流や熱の発生を示すシミュレーションを通して、設計者は高電力システムが極限荷重下であっても安全に動作することを検証できます。
センサー設計
静電容量式タッチスクリーンから非破壊検査まで、センサーの多くは目標物の検出や測定に静電磁場や低周波電磁場を使用します。干渉の問題や、泥、雪などの付着がある場所でも、シミュレーションなら複数の異なる試験目標に対するセンサーの応答を解析し、最適化できます。
磁石設計
磁石は、医用画像診断、素粒子研究、材料科学などの分野でさまざまな精密機械の基盤となっています。シミュレーションは、磁石に関する次のような標準 KPI を提供します。
- 場の分布
- 磁場均一性と勾配
- フーリエ解析係数
- 関連するルジャンドル多項式係数
- コイルのピーク磁場とシールドの有効性
- 力、熱、応力を含むマルチフィジックスの結果
超電導磁石のシミュレーション
超電導磁石は強磁場を効率的に形成することができますが、その作用には極低温冷却液が必要です。磁石がなくなると、冷却液が沸騰して超電導体が抵抗状態になり、激しい「クエンチ」反応が生じます。シミュレーションでは、クエンチ伝播を含む超電導磁石性能をモデリングできます。
MRI 磁石設計
磁気共鳴映像法(MRI)には、強力磁石と、精密に制御された磁場が必要です。SIMULIA シミュレーション・ツールは、MRI 磁石の設計に必要な精度を備えています。当社のソルバーでは、静磁場と低周波磁場の解析に無線周波数(RF)コイルと患者安全シミュレーションを組み合わせることができます。スピン・シミュレーション・ツールへのリンクを使って、MRI 設計ワークフローを完了できます。
- 粒子線光学系
- 磁気シールド
- 陰極防食
- 磁気シグネチャ
粒子線光学系のシミュレーション
磁気レンズなどのビーム収束磁石は、粒子加速器の重要な部分です。粒子追跡シミュレーションでは磁場中の荷電粒子の運動をモデリングできるため、加速器の構成部品の設計や最適化ができます。詳しくは、粒子力学のページをお読みください。
磁気シールドのシミュレーション
浮遊磁場は、メモリ内のデータ損失など、電磁両立性(EMC)や電磁障害(EMI)の問題を引き起こすことがあります。また、他の電子機器に損傷を与えたり、埋め込み型ペースメーカーを使用している人に危険を及ぼすおそれがあります。永久磁石や誘電コイル用の磁気シールド(電気自動車のワイヤレス充電など)の設計にシミュレーションを使うと、磁場を安全に設けることができます。
陰極防食のシミュレーション
船舶や石油掘削装置、洋上風力タービンなどの海洋設備は、海水による腐食を防ぐために陰極防食が施されています。陰極防食では、犠牲陽極または印加電流という方法で金属酸化を防ぎます。シミュレーションを使うと、船舶全体の電位を計算して陰極防食系の性能を解析し、陽極の配置を最適化できます。
磁気シグネチャと消磁のシミュレーション
電磁シグネチャの抑制は、艦艇設計工程の重要な部分です。SIMULIA の LF ソルバー・テクノロジーは長年にわたり、消磁と未消磁両方のシグネチャ評価のシミュレーション・ツールとして広く使われてきました。検証演習の精度が高く、消磁コイル位置の最適化にも柔軟に対応します。
さあ、始めましょう
低周波電磁界シミュレーションの世界は、テクノロジーの進歩、革新的な方法論、発展を続ける産業需要によって変わりつつあります。SIMULIA で一歩先を行きましょう。今すぐご確認ください。
磁界シミュレーションに関する FAQ
磁界は通常、ベクトル図やコンター図など複数のプロットを使って視覚化します。ベクトル図は空間内のさまざまなポイントにおける磁界の方向と強さを、コンター図はスカラー量を示します。
磁界シミュレーションでは、座標系のグリッド(離散化に使用)の全方向における磁界の量を計算できます。ベクトル図は、磁界の方向と強さをすべてのポイントで視覚化できます。
右手の法則は、ローレンツ力の向きを視覚化する簡単な方法です。右手の親指、人差し指、中指を、座標軸のようにそれぞれが直交する方向に伸ばします。親指が電流の向き、人差し指が磁界の向きを指すとき、中指は導体にかかる力(ローレンツ力)の向きを表します。人差し指を電流の向きとした場合は、中指が磁界の向き、親指が力の向きを表します。
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