概要
- 中性種およびイオン種の溶質分布
- 一般的な生体膜系(DMPC、POPC、DPPC など)はすぐに利用可能
- BIOVIA COSMOplex または分子動力学シミュレーションの仮想生体膜
生体膜内の物質の挙動をモデル化するために、生体膜は、所定の層内の分子中の原子で構成される仮想層に分割されます。次に、膜内の溶質の自由エネルギーが、多数の位置、方向、配座異性体の観点で計算されます。これにより確率分布が導き出され、生体膜内の溶質の自由エネルギー・プロファイルが得られます。
モデルは、実験データに照らし合わせて検証されます。仮想リン脂質二重層システムを使用して、異なる種類の中性化合物とイオン性化合物のリン脂質水分配係数 log P(mem:w)を計算します。モデルは、実験データに対して、RMSE = 0.62 (中性化合物)、0.70 (イオン)という良好な結果を示すため、パラメータを特定のトレーニング・セットに合わせる必要はありません。
Technical University of Hamburg (ハンブルグ)の、膜およびミセル選択済みモデルをこちらからダウンロードする
参考文献:
Klamt, A.; Huniar, U.; Spycher, S.; Keldenich, J.COSMOmic: A Mechanistic Approach to the Calculation of Membrane-Water Partition Coefficients and Internal Distributions within Membranes and Micelles. The Journal of Physical Chemistry B 2008, 112 (38), 12148–12157. https://doi.org/10.1021/jp801736k.
Bittermann, K.; Spycher, S.; Endo, S.; Pohler, L.; Huniar, U.; Goss, K.-U.; Klamt, A.Prediction of Phospholipid-Water Partition Coefficients of Ionic Organic Chemicals Using the Mechanistic Model COSMOmic.J.Phys.Chem. B 2014, 118 (51), 14833–14842. https://doi.org/10.1021/jp509348a.
Jakobtorweihen, S.; Zuniga, A.C.; Ingram, T.; Gerlach, T.; Keil, F.J.; Smirnova, I.Predicting Solute Partitioning in Lipid Bilayers: Free Energies and Partition Coefficients from Molecular Dynamics Simulations and COSMOmic. The Journal of Chemical Physics 2014, 141 (4), 045102. https://doi.org/10.1063/1.4890877.
概要
- 中性種およびイオン種の溶質分布
- 一般的な生体膜系(DMPC、POPC、DPPC など)はすぐに利用可能
- BIOVIA COSMOplex または分子動力学シミュレーションの仮想生体膜
COSMOperm アプローチでは、化学ポテンシャルおよび局所膜層固有の拡散係数(水、極性ヘッド・グループ、アルキル・テールなど)から、生体膜全体の自由エネルギー・プロファイルを使用できます。
このモデルは、中性化合物、pH 依存性プロトン化状態、永久イオンに適用可能です。その際、浸透の pH 依存性が考慮されます。
BIOVIA COSMOperm の結果は、ゴールド・スタンダードの黒膜実験に照らして検証されます。DMPC リン脂質二重層は、固有の受動的膜浸透を計算するためのリファレンスとして使用されます。COSMOperm は、中性化合物およびイオンの実験データに対して、R2 = 0.92、RMSE = 0.62 のきわめて良好で安定した結果を示します。
参考文献:
Schwöbel, J.A.H., Ebert, A., Bittermann, K., Huniar, U., Goss, K.-U., Klamt, A., 2020. COSMOperm: Mechanistic prediction of passive membrane permeability for neutral compounds and ions and its pH dependence. J.Phys.Chem. B 124, 3343–3354. https://doi.org/10.1021/acs.jpcb.9b11728
独自のアプローチにより、製剤効果や皮膚のばらつきを含む、機序レベルでの皮膚浸透プロセスの調査が可能になります。BIOVIA COSMOplex では、リン脂質、セラミド、コレステロールなど、さまざまな膜成分で構成される生体膜の自己集合をシミュレートできます。これには、浸透促進剤や潜在的に有毒な分子などの小さな分子も含まれます。BIOVIA COSMOperm は、拡散係数、自由エネルギー、分配係数の予測に使用されます。これらの値はすべて、機序的なマルチスケールの皮膚浸透モデルのために必要とされます。
参考文献:
Schwöbel, J.A.H.; Klamt, A.Mechanistic Skin Penetration Model by the COSMOperm Method: Routes of Permeation, Vehicle Effects and Skin Variations in the Healthy and Compromised Skin.Computational Toxicology 2019, 11, 50–64.https://doi.org/10.1016/j.comtox.2019.02.004 (オープン・アクセス)