バイオミミクリー生物模倣
海洋生物からイノベーションのヒントを得る
海は発想の源
この映像では、海洋生物から発想を得た2つの画期的な取り組み、「グリーン・エネルギーの生成」および「海域プラスチックごみの収集」を紹介しています。
この2つのイノベーションには、限りある資源をより効率的に利用するという共通点があります。また、設計段階に持続可能性を取り入れるために自然から学ぶ必要があることを示しています。
自然から学ぶ
バイオミミクリー(生体模倣)とは、自然界の仕組みを模倣し科学技術や工業デザインに取り入れる手法です。言い換えれば、自然から発想を得たイノベーションです。バイオミミクリーには既に多くの応用例があり、馴染みのある技術や建築にもこの手法を適用したものが見られます。
- 例えばエッフェル塔は、人の大腿骨から発想を得たラティス(格子)構造を取り入れることで、重さを分散させて強風に耐えられるように設計されています。空を飛ぶという夢を果たすために、人は遠い昔から鳥を観察してきました。
- 15世紀、レオナルド・ダ・ヴィンチが鳥の飛翔の精緻な観察を通して、後にグライダーや飛行機の原型となる設計図を描きました。
- 日本の新幹線にも鳥から発想を得た空気力学が活かされています。時速320キロというスピードで走行しながら、騒音を大幅に抑えた静かでエネルギー効率の高い車両を実現しています。
技術が進化する中、自然界のプロセスの研究がさらに重要になっています。今日の技術ソリューションでは、要件に対処するだけでなく、環境への影響を設計時点で織り込む必要があります。これについても、自然から学ぶことが数多くあります。自然の生態系を研究することで、環境に配慮して技術設計や生産プロセスを最適化する、貴重な知見がもたらされます。
この映像では、バイオミミクリー(生物模倣)を通じて、現状の課題に取り組む、2つの具体的なイノベーション事例を紹介しています。
グリーン・タートルは、海域に浮遊するごみを追跡して収集するウミガメ形ロボットです。このロボット設計者がウミガメを参考にした理由は ウミガメは海中を泳ぐだけでなく一定の場所で静止することもでき、その動きが浮遊するプラスチックなどの追跡に理想的だったからです。また、ウミガメの堅い甲羅の形状は、ロボットの機械構造を守る外殻としてはもちろん、収集したごみを内部に格納するためにも最適です。
毎年800万トン以上のプラスチックが海に流出し、海洋生態系を脅かす汚染物質となっています。ごみを減らすことは解決策のひとつですが、既存のごみを収集することも必要です。
この学生プロジェクトは、「持続可能性のためのイノベーション」コンテストで優勝を果たしました。このコンテストは、毎年600万人の学生たちにダッソー・システムズのソリューションへのアクセスを提供している3DEXPERIENCE Eduが主催しています。
グリーン・タートルのプロトタイプを3Dでご覧ください。
「PLAY(再生) 」をクリックすると、以下の3Dエクスペリエンスをご覧いただけます。マウスを使って、ロボットの機能を360º全方向から確かめることができます。
EEL Energy社は、クリーンな海洋エネルギーを利用する潮力発電機を開発しています。同社は、海流や川の流れから電気を生成する波動膜を製作しています。このデザインは、ウナギの泳ぎに着想を得ています。
潮流を利用して電気を生成することにより、CO2排出ゼロの自然のエネルギー源を実現しています。また、潮流は予測可能である点も、太陽光発電や風力発電にはないメリットです。
このプロジェクトは、画期的なプロジェクトを育成するダッソー・システムズ3DEXPERIENCE LABが支援しています。
EEL Energy社
EEL Energy社の詳細およびダッソー・システムズの開発支援については、こちらをご覧ください。
グリーン・タートル
グリーン・タートルの詳細およびダッソー・システムズの支援活動については、こちらをご覧ください。