Antenna Magus

アンテナを初めて設計するときは、設計工程の個々の(非標準的な)作業に進む前に済ませるべき基本的な手順があります。

設計工程のどこから始めればよいかわかっていれば、この基本手順はとるに足らないことですが、スタート地点が常に明確になっているとは限りません。リファレンス設計を再現しようにも、公開論文や書籍の情報は十分でないことが多く、参考になりそうなリファレンス結果は公開されていません。情報が不足していると、仕様の範囲内で一般的な性能を得るために、何日もかけて基本のアンテナ構造を手動で最適化することになります。

このような(ときに面倒な)作業は Antenna Magus にお任せください。リファレンス・データに照らして検証済みの、信頼性の高い一次設計を提供します。各アンテナを徹底的に調査し、設計アルゴリズムを各種試験や検証作業にかけて、多種多様な最終目標の組み合わせに対して、正しく動作することを確認します。

利得、帯域幅、インピーダンスなどの目標を満たすアンテナを、ボタンを押すだけで設計できます。

性能の見積り

設計したアンテナを瞬時に解析する「性能の見積り」機能を使えば、ある素子が最終設計に対して適切な選択肢となるかどうかの指標が得られます。

Antenna Magus は、アンテナのトポロジーと環境に関する情報からある程度の近似計算を行い、短い解析時間で合理的な推定性能を割り出すことができます。

Antenna Magus のエクスポート機能を使うと、シミュレーション・ソフトウェアの習得にかかる時間をアンテナ設計に充当し、新しい概念や設計アイデアをすばやく試験できます。Antenna Magus からエクスポートされるモデルは、すぐに使えるパラメトリック・シミュレーション・モデルです。ユーザーは、インポート側の 3D 電磁(EM)シミュレーション・ツールの機能を効率よく適用でき、モデルを組み合わせて新しいトポロジーを迅速に実現できます。

効率的な情報管理は、蓄積されたナレッジを社員が利用できるという点で、あらゆる企業の収益に影響します。

Antenna Magus が誕生する前は、アンテナ・エンジニア向けに設計された情報管理システムはありませんでした。そのため、エンジニアは埃っぽい倉庫のどこかに、紙の束や CD/DVD、あるいは物理的な試作品という形で重要情報を保管しなければなりませんでした。こうしたナレッジには長年の経験や作業の成果が蓄積されていますが、利便性が悪く、共有も困難でした。

Antenna Magus の開発にあたって、こうした情報を一貫した方法で管理するためのナレッジ・マネジメント・システムを用意することは不可欠でした。この機能はエンジニアに対して、ドキュメント、スケッチ、設計アルゴリズム、測定データ、モデルなどの情報を論理的かつアクセス可能な方法で保存するフレームワークをもたらします。ナレッジ・マネジメント・システムのフレームワークは、データベースに含まれる全アンテナを通して一貫しており、情報の検索や別のアンテナとの比較が容易です。エンジニアは、特定のアンテナに関するナレッジを得る過程で、利用可能な情報の拡張や強化を行えます。情報を取得したら、同僚や友人と安全に共有できます。