疲労寿命予測を簡素化

昔から、疲労寿命の計算は複雑で難しいことで有名です。溶接継手やスポット溶接を含む溶接構造物は、疲労寿命や破壊箇所を予測したとき、試験データとの相関性に乏しいことが少なくありません。Battelle 社が開発し特許を取得した Verity 構造応力法は、有限要素モデルによる溶接継手の疲労解析において大きな突破口となりました。

Verity in fe-safe は、溶接構造を疲労解析する Verity と、有限要素モデルを疲労解析する fe-safe の高度な機能を組み合わせたモジュールです。設計の完全性を検証するためのテスト費用を縮小または回避でき、疲労寿命が不確実であるために起こりがちな過剰設計を回避できます。

概要
機能
メリット

Verity in fe-safe の概要

ユーザーの主観による判断を排除し、信頼性と精度を向上します。
溶接線の節点力から算出するため、粗メッシュを使用できます。
薄板やプレートのすべての溶接部と厚みで使用できるよう、1 本のマスター S-N 曲線を使用します。
メッシュの密度や要素タイプに関係なく、一貫性のある構造応力計算を行います。
これまでにない精度と信頼性を実現します。
スポット溶接を含む全タイプの溶接と、ランダム波振動や正弦波掃引荷重を含む全タイプの荷重に適用できます。
使いやすく、自動化が容易です。
溶接継手、スポット溶接、非溶接エリアを一度に解析します。
Battelle 社のジョイント・インダストリー・プロジェクトで 3500 回以上の物理疲労試験に使用され、有効性が認められています。

Verity Module in fe-safe は、fe-safe のアドオン・モジュールです。

Verity in fe-safe のメリット

独自の構造応力法で特許を取得している Verity は、数ある構造応力計算アプローチの中で最も広く検証されています。主なメリット:

ユーザーの主観による判断を排除し、信頼性と精度を向上します。
溶接継手と非溶接領域を一度に解析でき、結果を同じコンター図に表示することで、モデル解析全体を迅速化します。
CAE/FEA モデリングの時間を大幅に短縮します。
物理検証試験の必要性を大幅に低減して、開発コストを削減します。
疲労基準に照らして構成部品の検査や試験を実施し、「分類」や法規制コンプライアンスにかかるコストを軽減できます。
設計の最適化と構造の軽量化により、不確実性を織り込むための過剰設計を減らすことができます。
単一画面で直感的な Windows ベースの GUI で、Abaqus、ANSYS、Nastran (MSC、NEi、NX)などの主要 FEA 製品群を直接操作できます。
スポット溶接用の「自動検出」ツールにより、数千のスポット溶接を含むモデルの疲労解析をすばやく設定できます。

Verity は、Battelle 社のジョイント・インダストリー・プロジェクト(JIP)に名を連ねる大手エンジニアリング企業との協業を通し、自動車から船舶・海洋業界まで幅広い用途に採用されてきました。この構造応力法の有効性を示す 1 本の曲線は、公開文献から入手し検証した試験サンプルや原寸部品を用いた、数千回もの疲労試験を集約したものです。これを「マスター S-N 曲線」といいます。

Verity は、TIME Magazine 誌の Math Innovators (2005 年)、Aviation Week and Space Technology 誌の Laurels Award (2004 年)、SAE International の Henry Ford II Distinguished Award for Excellence in Automotive Engineering (2003 年)など、多くの栄誉ある賞を受賞しています。Business Week 誌は Verity を「A Bolt of Genius in Welding (溶接業界の天才的な閃き)」と評しました(2004 年)。