fe-safe
有限要素モデル向けの耐久性解析ソフトウェア
産業における材料効率
材料使用量の最適化は、産業界が現在直面している変革の要となりました。メーカーは、保証が少なく製造工期が短く、最小限のリコール・コストでコスト効率の高い製品を製造するため、部品の軽量化や性能安定化を絶えず模索しています。設計の応力計算には高度な有限要素解析が不可欠です。多くの企業が今もなお手作業で応力点を選択し、スプレッドシートを使って疲労解析を行っています。この方法は時間がかかるだけでなく、臨界破壊点を見落とすリスクが高まるため、信頼性も担保できません。
FEA 疲労解析
fe-safe は、有限要素モデルの疲労解析ソフトウェアの技術リーダーとして、1990 年代初頭から産業界と密に連携し、疲労解析ソフトウェアの基準を打ち立ててきました。fe-safe のソフトウェア群は、世界をリードする FEA 耐久性解析テクノロジーで構成されています。主要 FEA 製品群(Abaqus、ANSYS、Nastran)を直接操作し、非常に要求の厳しい産業用途に対応します。
疲労解析法
fe-safe は、最新の多軸ひずみ法に注目した商用初の疲労解析ソフトウェアで、今もなお疲労解析ソフトウェアの基準であり続けています。拡張パッケージには fe-safe が付属しており、1 つのトークン・プールでポートフォリオ内のあらゆるソリューション・テクノロジーに統合的にアクセスできます。fe-safe の人気の理由は、その精度、スピード、包括的機能、使いやすさです。どれほど複雑な疲労解析でも、fe-safe は設計工程にスムーズに溶け込み、耐久財の開発を支援します。
疲労解析ソフトウェア
fe-safe は次の製品群で構成されています。
- fe-safe: 荷重やモデルの複雑さを問わない、正確で信頼性の高い多軸疲労解析
- fe-safe/Rubber: 独自の最先端テクノロジーを搭載したエラストマー用の疲労解析
- Verity Module in fe-safe: 特許を取得した独自の Verity™ 構造応力法により、シーム溶接、構造溶接、スポット溶接の継手を解析
- SIMULIA 製品ポートフォリオ間のスムーズなワークフロー: Abaqus、Isight、Tosca
- 概要
- 主なメリット
- 技術的ポイント
fe-safe の概要
- モデルのすべての点で疲労寿命を計算し、疲労寿命と亀裂の位置をコンター図で示します。亀裂が生じそうな危険箇所も見逃しません。
- 目標設計寿命の達成に必要な応力変化の強度を算出します。部品の強度不足の箇所、ならびに材料と重量を節約できる条件を示します。
- 疲労破壊の確率に基づき保証クレーム曲線を試算します。
- デューティ・サイクルのどの部分が最も激しく損傷しているかを特定します。試作品試験のアクチュエーターを減らして、テスト時間を短縮できる場合があります。
- プレス加工/成形部品の残留応力や表面仕上げなどの加工影響、鋳造や鍛造における材料の変動効果を考慮します。
- 接触などによる三軸応力状態を自動検出するため、より広範な臨界面の検索に使用できます。
- 特別なメッシュ作成をしなくても、同じモデルの中にソリッド要素とシェル要素を持つことができます。
- 単一またはマルチチャネルの PSD/CSD 荷重と臨界面の多軸解析を用いて、周波数領域での高速ランダム波振動による疲労解析を行えます。
- Verity in fe-safe は、特許を取得した VerityTM 構造応力法という独自の計算手法を用いて溶接継手の疲労寿命を計算します。 マルチチャネルの PSD/CSD 荷重と併用できます。
- fe-safe/Rubber は、最先端のエラストマー専用アルゴリズムという独自のテクノロジーを用いてエラストマーの疲労寿命を計算します。
- さらに、fe-safe standard にはテスト信号処理関数とひずみゲージ疲労アルゴリズムが付属します。
fe-safe の主なメリット
fe-safe 製品群を設計工程の必須要素とすることで、次のようなメリットがあります。
- 安全重要部品の疲労寿命を伸ばすことができます。
- 設計を最適化して、材料の使用量を削減できます。
- 製品のリコールや保証にかかるコストを削減できます。
- 設計プログラムや試験プログラムの最適化や妥当性の確認に役立ちます。
- 1 つのユーザー・インターフェースの中で、試験と解析の相関性を改善できます。
- 試作品の試験にかかる時間を短縮できます。
- 解析時間を短縮できるため、工数を削減できます。
- 「最初から適切な設計」ができるため、自信を持って製品設計を進め、物理試験に間に合わせることができます。
- 物理試験への依存を軽減できます。
高速
- 部品、表面仕上げ、材料が異なるアセンブリーを 1 回で解析できます。fe-safe は、材料が変わると解析法を自動的に変更する機能を備えています。コンター図を利用し、節点ごとの疲労寿命、応力拡大係数、生存確率を 1 回のシミュレーションで確認できます。
- 非常に効率的なプログラミング、ネイティブ 64 ビット・コード、マルチスレッド並列処理により、大規模な有限要素モデルを解析し、結果を速やかにレポートします。並列処理ではほぼ直線的な速度増加がみられます。
正確
- fe-safe の中核をなすのは、高度な多軸アルゴリズムです。
- 独自のノード除去法により、スピードと精度のトレードオフが発生しません。
- ユーザーからは一貫して、試験結果に見事な相関関係がみられるとの評価を得ています。fe-safe は、継続的な開発を通して技術リーダーの地位を維持しています。
使いやすい
- fe-safe にはデフォルト設定が多数用意されています。
- fe-safe は、選択された材料に基づいて最適なアルゴリズムを自動的に選択します。
- 標準の解析を保存するオプションは、疲労解析の専門家でない人に最適です。
- 材料データベースに等価の仕様が示されているため、米国、ヨーロッパ、日本、中国の基準を検索できます。
- 上級者向けの高度な設定が可能です。
- Windows ベースの、単一画面で直感的な GUI で、Abaqus、ANSYS、Nastran (MSC、NX)などの主要 FEA 製品群を直接操作できます。
fe-safe の技術的ポイント
- ホットスポットの自動形成
- 臨界距離 – 亀裂の伝播挙動を設定
- ブロック単位の損傷
- fe-safe カスタム疲労アルゴリズム
- 加工影響
- 材料データベース
- 並列処理
- ノード単位のプロパティ・マッピング
- 信号処理
- TOSCA との統合による構造最適化
- SIMPACK との統合による弾性体疲労解析
- 試験プログラムを検証
- 仮想ひずみゲージ
- 振動疲労: モーダルな力学解析、PSD/CSD 荷重からのランダム波振動、正弦波掃引
- 保証曲線
- 溶接疲労
- FKM ガイドライン
モジュールの情報
さあ、始めましょう
耐久性解析と有限要素解析の世界は、テクノロジーの進歩、革新的な方法論、発展を続ける産業需要によって変わりつつあります。SIMULIA で一歩先を行きましょう。fe-safe の詳細を今すぐご確認ください。
疲労解析に関する FAQ
構造疲労解析とは、繰り返し荷重に長時間さらされた構造体内部の材料応答を評価することです。構造疲労解析では、構造的な完全性と、繰り返し荷重条件下での構造変化を調べます。応力集中、荷重変動、材料特性などの要素を解析することで、構成部品の寿命を予測し、疲労損傷による致命的な破壊を防止することができます。
疲労解析は、繰り返し荷重下で材料の寿命を予測したり、伸ばしたりするための工学において極めて重要です。主に次のような手法が使われています。
- 応力-寿命法(S-N 曲線): S-N 曲線は、材料の応力振幅を破壊までのサイクル数に対してプロットする伝統的な手法です。応力が弾性域内にある高サイクルの疲労解析に適しています。
- ひずみ-寿命法(ε-N 曲線): この手法は、応力レベルが塑性変形を起こすほど高い、低サイクルの疲労解析に使われます。ひずみ振幅を破壊までのサイクル数に対してプロットします。
- 破壊力学法: 破壊力学法は、繰り返し荷重下での先行亀裂の成長予測に使用します。特に、破壊力学の原理に基づく、亀裂状の欠陥がある構造物に有効です。
- 疲労亀裂成長率(da/dN 対 ΔK): この手法は、応力拡大係数範囲(ΔK)の関数として、荷重サイクルごとの既存亀裂の成長スピードに焦点を当てたものです。亀裂が生じている部品の残存寿命予測に極めて重要です。
- 多軸疲労解析: この手法は、応力状態が複雑で複数の方向が関与する場合に使用します。臨界面法など、疲労破壊を予測するためのより高度なモデルを必要とします。
- エネルギー法: この手法には、ヒステリシス・エネルギー法などがあり、繰り返し荷重下で材料に吸収されるエネルギーを、疲労損傷の主な促進因子として考慮します。
- 有限要素解析(FEA): FEA は、荷重下にある材料や構造物の応力、ひずみ、変位を予測する計算ツールです。疲労寿命モデルと組み合わせることで、危険個所の特定や疲労寿命の推定に役立ちます。手法ごとに固有の用途、メリット、制約があります。材料のタイプ、繰り返し荷重の性質、利用可能なデータによって適切な手法は異なります。
有限要素モデルの疲労解析ソフトウェアの先頭を走ってきた fe-safe は、主要なすべての FEA 製品群を直接操作でき、非常に要求の厳しい産業用途に対応します。fe-safe は、ひずみに基づく最新の多軸法に注目した、商用初の疲労解析ソフトウェアです。その精度、スピード、包括的機能、使いやすさから、設計者の間で人気を博しています。
設計工程の必須要素として fe-safe を導入することで、疲労解析を迅速かつ正確に実行できます。fe-safe は設計工程にスムーズに溶け込み、耐久性とコスト効率に優れる製品の開発を支援します。また、臨界破壊点を見落とすリスクを最小限に抑え、リコール・コストや保証クレームの可能性を減らします。
疲労解析において繰り返し荷重は不可欠です。部品に荷重がかかり続けると高応力領域が生じ、最終的には疲労亀裂が発生します。正確な疲労解析を行うには、繰り返し荷重パターンを理解することが重要です。
疲労破壊は、ある材料の最大抗張力に満たない応力やひずみであっても、時間に沿って変動するそれらに材料がさらされ続けることで生じます。一度の高応力による突然破壊と異なり、疲労破壊は繰り返し負荷の累積的影響によって徐々に進行します。
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