PowerTHERM
PowerTHERM と PowerCOOL - 熱管理に必要な機能すべてを備えたソリューション
車両向けの効率的なデジタル熱解析ソリューション
熱解析は、使用中の機器の加熱と冷却の挙動を明らかにします。実際の条件下で製品が安定的に動作することを確認するうえで不可欠です。PowerFLOW は、熱解析用の 2 つのアドオン(PowerTHERM と PowerCOOL)を使用して、熱管理系の迅速なシミュレーションを支援します。
PowerTHERM
PowerTHERM® と PowerFLOW の組み合わせは、有効性が広く実証されている、熱管理に必要な機能すべてを備えたデジタル・ソリューションです。PowerTHERM で計算を行うと、表面温度のほかに、熱ふく射、熱伝導、熱対流が生み出す熱流束を予測できます。PowerFLOW と PowerTHERM を併用することで、温度を正確に予測し、車両全体の流れ場と温度場を視覚化できます。その後、問題のある領域を特定し、設計を改善するための推奨事項を提示できます。シミュレーションやモデル構築のターンアラウンド時間が短縮されるため、ベースラインに対する設計変更を速やかに実行したり、熱性能に関して改善が必要な箇所を評価したりできます。PowerFLOW は、本質的に非定常の格子ボルツマン法に基づく独自の物理解析により、極めて複雑な形状であっても、熱シミュレーションを通して実世界での非定常空気流条件を正確に予測できます。
PowerCOOL
PowerFLOW に PowerCOOL アドオンを追加すると、自動車用のラジエーターやインタークーラーなど、エンジン・ルームの冷却解析のための熱交換器をモデリングできます。また、PowerFLOW シミュレーションと連成すると、その結果から空気流と熱交換器の間で交換された熱を予測できます。結果は、熱交換器の吸気口(タンク上部)の冷媒または排熱の温度として示されます。他には、熱交換器表面の速度、温度、密度などの空気パラメータの分布や、熱交換器内の冷却温度の分布があります。こうした結果から、熱交換器を正しい位置に設置したり、エンジン・ルームの設計を全体的に最適化したりするうえで不可欠な情報を得ることができます。
- 機能とメリット
- 主な機能
- アプリケーション・ソリューション
機能とメリット
- 製品開発期間の短縮: 初期段階で熱評価を実施し、設計を改善します。
- 開発コストの削減: 設計工程全体を通して、試作品の試験を減らす、または完全になくします。
- 製品の改善: 初期段階で包括的な熱評価を行い、その結果に基づいて製品の信頼性や耐久性を改善します。
- 品質保証: 熱評価を改善することで、工程の早期に潜在的な保証リスクを特定します。
- 効率の向上: 任意の熱動作条件を保つことで、車両の効率を向上します。
- 顧客満足度の向上: 車室内の空気流や乗客乗員の快適性を解析することで、顧客満足度を向上します。
- PowerCOOL による熱的安全性の改善: 熱交換器が安全温度を保ち、冷却材の流れや圧力が最適化されていることを確認します。
主な機能
ふく射、伝導、対流のための高度なソルバー
- マルチバウンスふく射。
- シェルおよびソリッドの伝導モデル。
- PowerFLOW との組み合わせによる対流。
- 1 次元移流方程式と流体流れモデルを用いて内部流れを連成モデリング(例: 排気系)。
- 温度依存の特性(伝導、比熱、放射率など)を設定。
- 多重構造部品の取り扱い(固体、空気、真空、または混合物)。
- 適応解アルゴリズムによる効率的かつ堅牢な数値スキームを使用。
さまざまな時間スケールでの正確性と効率性
- 定常または非定常
- 数秒から数時間のシミュレーション期間
高性能で使いやすい
- 熱モデルの作成やケース設定が迅速かつ簡単
- PowerFLOW 流体シミュレーションとの統合連成が可能なほか、スタンドアロン・アプリケーションとしても実行可能
- PowerVIZ® (シミュレーション結果の視覚化・解析環境)を使って、単一環境で流れの結果を解析
- 並列処理オプションを選択し、シミュレーション時間を短縮
バッテリー・セル・モデル
- バッテリー・セルまたはパックを対象とした、熱-電気の連成解析用のモジュール(オプション)
- 充電と放電の両方の状態をサポート
- 時間で変化する負荷と電荷をリアルに再現
クライメート・コントロール解析
- 太陽光による負荷 – 直射、拡散、反射
- 風による負荷
人体快適性モデル
- 複雑な環境下における人体の熱的快適性を高度に解析するためのモジュール(オプション)
- 衣服を重ね着させたダミーを仮想的な運転環境に配置したバーチャル・テストを作成し、快適性指標を計算
- 3 つの熱の伝わり方(ふく射、対流、伝導)をすべてサポート
- 発汗、呼吸、血流の変化といった局所的な体温調節反応を計算
- 定常状態または非定常における局所的な温熱体感や快適性を解析
空冷用途
- エンジン・ルームのラジエーター(I 型、U 型)やインタークーラーの形状を最適化
- 内部流れと外部流れの間の熱伝達は、吸気口の冷媒温度または排熱の温度差を基準に測定します。
- 空気流は PowerFLOW が計算し、冷媒流は PowerCOOL が計算します。すべての機能は PowerCASE で積分されます。
PowerTHERM は、ダッソー・システムズのシミュレーション・ソフトウェアの基盤である CFD コア・テクノロジーを利用し、熱管理に関する多くの問題を次のように解決できることが実証されています。
- アンダーボディおよびエンジン・ルームの断熱
- ブレーキ冷却
- キーオフ/ソーク
- 電子装置およびバッテリーの冷却
- HVAC 系の性能
- 車室内の快適性
- デフロストとデミスト
- 熱交換器の冷却(PowerCOOL)
アプリケーション・ソリューション
PowerTHERM は、ダッソー・システムズのシミュレーション・ソフトウェアの基盤である CFD コア・テクノロジーを利用し、熱管理に関する多くの問題を次のように解決できることが実証されています。
- アンダーボディおよびエンジン・ルームの断熱。
- ブレーキ冷却。
- キーオフ/ソーク。
- 電子装置およびバッテリーの冷却。
- HVAC 系の性能。
- 車室内の快適性。
- デフロストとデミスト。
- 熱交換器の冷却(PowerCOOL)。
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