ビジネス・エコシステムの利点を最大限に活かす
将来の課題に対応するために、今日の企業は、信頼、自信、セキュリティーを確保しながら協業する新しい方法を見つける必要があります。
貴社を次のレベルに引き上げるパートナーは?
いま起きていること
イギリスの詩人ジョン・ダンは「人間は、だれしも孤島ではない」と言いました。個人でも企業でも、人間関係を築き、ネットワークの中で業務を行う能力が成功を左右します。企業は単体で存在しているわけではありません。買い手と売り手、顧客と企業、設計者と生産者といった関係で複雑に入り組んだやり取りを行い、バリュー・チェーンの隅々にその網は広がっています。
地政学的緊張から気候変動まで、世界が複雑化し、システミック・リスクが増加する中、エコシステム・パートナーシップ内で効果的に動くことを学び、価値、イノベーション、セキュリティーを推進がこれまで以上に重要になっています。
BCG のアンケート調査によると、S&P Global 100 社の半数以上が 2 つ以上のエコシステムに関与しており、90% が関与を拡大する予定です。これらのエコシステムは巨大になる可能性があります。EY は、Microsoft のエコシステムがエコシステム・パートナーに約 1 兆ドルをもたらす可能性があると推定しています。
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それが重要である理由
ビジネス・エコシステムは大きな価値を提供できますが、連携して機能する必要があります。世界が現在直面している最大の課題に対処するには、エコシステム・パートナーが協力して取り組む必要があります。
気候変動について考えてみましょう。私たちは、再生可能発電を大幅に進化させています。McKinsey は、全電力の約半分が 2035 年までに再生可能になると予測しています。しかし、電力の貯蔵と配電のインフラストラクチャー のエコシステムを並行して開発しないと、世界のすべての再生可能電力は無駄になります。
では、ビジネス・エコシステムをどのように構築すればいいのでしょうか? 効果的なイノベーション・エコシステムを構築するには、製造業、建設会社、研究機関などの間で高いレベルの信頼、協力、調整が必要です。IP を保護する必要があり、相互運用性を確保するためデータ共有が必要になります。通信チャネルの保守も必要です。メーカーとサプライヤーとの関係は、深い信頼のもとで構築されなくてはなりません。
ダッソー・システムズの航空宇宙・防衛産業担当バイス・プレジデント、David Ziegler は、電気飛行機の例も挙げて次のように説明します。「電気飛行機の時代が将来やってくるかもしれません。しかし、現時点で必要なのは、新しいタイプの電池の開発です。水素の大量生産体制と、工場から空港までを結ぶ流通・貯蔵インフラストラクチャーも必要です」
「現在そのようなものは存在していません。それを導入するには、適切なパートナーシップ・モデルを開発し、戦略的ネットワークと広範なサプライチェーン・コラボレーションを確立する必要があります。つまり、現行エコシステムの大規模な変革が求められます」
主権と安全保障の確立が商業的に重要なだけでなく、国内的にも国際的にも重要な問題である防衛産業ほど、このような課題が顕著な業界はありません。
「防衛エコシステムの主権の重要性を理解するには、航空機や戦車などの一つの物体だけでなく、システム・オブ・システムズについても考える必要があります。つまり、戦車、航空機、艦船、衛星間の相互運用を確立する必要があります。これらのシステムはすべて異なる製造者が設計・生産したものですが、相互運用を実現して通信を可能にし、安全に実行できるようにする必要があります」
Manufacturing Industries on the Edge: Industries in the innovation age
私たちは技術革新の真っただ中にいます。製造業がそこに参加して利益を享受したいとのであれば、イノベーションを企業の中心に据えるために必要な人材を育成し、考え方を育成する必要があります。
どのように備えるか
製造エコシステム内での作業にはコラボレーションが必要であり、効果的なコラボレーションの鍵は信頼です。ビジネス・パートナーは業務に使う情報を信頼する必要があり、共有している情報について互いを信頼する必要があります。
「ドイツ軍、フランス軍、スペイン軍の合同プログラムである FCAS を見てください」と、Ziegler は言います。「3 ヵ国間で基準を一致させるのは非常に困難です。システム・オブ・システムズのアーキテクチャをどのように設計すれば、全員が整合性とセキュリティーを損なうことなく連携して動けるようになるでしょうか?」
「もちろん、サイバーセキュリティーの問題もあります」と、Ziegler は続けます。「異なるプラットフォーム間でデータをやり取りする場合、常にセキュリティー保護が完全に保証されていなければなりません。ビジネス・エコシステムは、リスクを最小限に抑えることを念頭に置いて構築する必要があります」
共有デジタル管理プラットフォームが登場したこと で、複数の関係者が大量の業務データと製品データを統合しながら、特定のビジネスに影響を受けやすいデータの一部にリングフェンス(別扱い)を適用することができます。
「こうしたプラットフォームを使用することで、エコシステム・パートナーは革新的な製品やサービスを提供するために、設計、開発、製造の各プロセスで協業できます。しかも、保護対策が適用された安全で管理された環境でコラボレーションできるのです」と、Ziegler は説明します。
電気飛行機の時代が将来やってくるかもしれません。しかし、現時点で必要なのは、新しいタイプの電池の開発です。水素の大量生産体制と、工場から空港までを結ぶ流通・貯蔵インフラストラクチャーも必要です
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