バーチャルツイン・エクスペリエンス
デジタルツインのテクノロジーの先へ
デジタルツインとは?
デジタルツインは、実世界の物体の形状を3Dで表したものです。より詳しい定義としては、たとえばガートナー社はデジタルツインを「実世界の物体やシステムをバーチャルに再現したもの」であり、「固有の物やプロセス、組織、個人、その他の抽象的な概念を正確に反映したソフトウェアのオブジェクトやソフトウェア・モデル」の形で提供されるとしています。
ダッソー・システムズのソリューションは、このようなソフトウェア・モデルの実現を支援しますが、バーチャルツイン・エクスペリエンスなら、デジタルツイン以上の成果を上げることができます。
デジタルツインとバーチャルツイン・エクスペリエンスの違いとは?
特定の一つの目的に焦点を当てるデジタルツインでの検証とは異なり、バーチャルツイン・エクスペリエンスは、製品ライフサイクル全体を視覚化、モデリング、シミュレーションでき、また、人々の知識、知見を含めた全ての情報を一つのプラットフォームに集約して関係者の間で共有し、コラボレーションができるので、イマジネーションを拡げ、ビジネスの持続可能なイノベーションを促進します。
バーチャルツイン・エクスペリエンスは、製品やシステムの形状、寸法、性質をデジタルな3Dモデルにすることから始まります。その3Dモデルでシミュレーションを行い、製品が組み立てられた時、操作された時、さまざまな影響を受けた時にどのように動作するかをテストします。
バーチャルな環境で無限に行うことができるテストは、設計や材料、製造プロセスの最適化と検証に役立ち、製品ライフサイクル全体の持続可能性を高めます。
バーチャルツイン・エクスペリエンスが実現すること
仮想世界と実世界の間での情報の継続的な循環は、クローズドループを形成します。そしてクローズドループは以下のようなメリットをもたらします。
仮想世界と実世界を一体化する、ダッソー・システムズのソリューション
ダッソー・システムズのバーチャルツインのテクノロジーは、以下の方法で、人々や企業がサステナビリティの最大の課題を解決し、イノベーションを推進します。
- 革新的で先見性のある製品やサービスを設計する
- 製品の初期計画から販売に至るまで、製品開発の全ての段階でチームをまたいだコラボレーションを促進し、製品づくりを管理する
- 設計の段階でデジタルツインのシミュレーションを活用して、製品の性能、信頼性、安全性を評価する
製品がライフサイクルを通して改良されるにつれ、製品のバーチャルツインも進化します。バーチャルツインには、センサーから得られる製品の操作データや、性能測定値、メンテナンス記録などの新しいデータソースが追加されてゆきます。このデータソースを元の要件や、設計段階の決定やシミュレーション結果と組み合わせることで、バーチャルツインは、製品ライフサイクル --as-made(出来上がったままで市場に出る前の製品)の段階と、as-used(使用された後の製品)の段階 -- を反映したものとなります。
すなわち、バーチャルツインは製品のデジタル・レプリカであり、また、製品の履歴と進化を示すものでもあるのです。
バーチャルツイン・エクスペリエンスが用いられている主な分野
バーチャルツイン・エクスペリエンスは主に、製造業における製品の持続可能性の向上、ライフサイエンス&ヘルスケアとの変革、都市のビルト・エンバイロメントの最適化などに活用されています。
- 製造業
- ライフサイエンス&ヘルスケア
- 都市・インフラ
製品の持続可能な改善
製造業界は、次世代のモビリティの定義から、プラスチックに依存しない梱包材の開発に至るまで、持続可能なイノベーション・イニシアチブを加速しています。
製品や、製品を製造するための産業機器を改善することは、製品や産業機器を製造する前に結果をシミュレーションして評価できる、データドリブンかつモデルベースのソリューションに対する大きな需要を生み出します。
バーチャルツインは、コンピュータ上に無限にテスト可能な製品のデジタルモデルを構築し、展開された製品からデータをフィードバックして、継続的な改善サイクルを実現します。
臨床ケアのルネサンス
バーチャル・テクノロジー、分析、AI(人工知能)を組み合わせることで、人体の治療方法に変革をもたらすことができる状況が整い、
ウイルスの分子構造など目に見えないものの研究における視覚的なアプローチが可能となり、臨床試験のイノベーションや、期待されるポジティブな成果を患者にもたらす新たなアプローチの創出につながります。
DNAから細胞、臓器、体全体に至るまで、複雑な人体の理解を高めることで患者中心のヘルスケアモデルが形成されます。またバーチャルツインは、新しい手術手技に取り組む医師を支援するために、より優れた医療機器の構想、テスト、製造にも活用することができます。
ビルト・エンバイロメントの最適化
都市や建物における動態を把握することを担う政府、非営利団体、民間企業にとって、バーチャルツインはナレッジの収集をより高いレベルに引き上げるものです。
センサーから絶えず供給されるデータや職員、市民から提供される情報を受け取るデジタルモデルを構築することは、都市をより機能的で環境に優しいものにする、大きな可能性を秘めています。
破壊的イノベーションでサステナビリティを推進する
デジタルツインは物理的なプロトタイプを不要にし、
極めて破壊的なグリーン・イノベーションや循環型イノベーションを実現するための安全なテスト環境を構築します。
また、バーチャルツインはバリューチェーン全体をモデル化することで、製品やサービスの持続可能性をライフサイクル全体(リユースするための設計や、材料の使用量の最小化、二酸化炭素排出量の推定、循環型システムのリバースロジスティクスのモデリングなど)で高めます。
継続的なイノベーションを実現するための4つの要素
デジタルツイン、AI(人工知能)、組込み分析は、大量のデータを活用し、コンテキスト化して目的に合わせた戦略的な意思決定を行い、現在の慣行を改善し、将来のビジネスの状態を予測する鍵となります。
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