PLM: 製品ライフサイクル管理でイノベーションを推進
設計から製品寿命の終了までの製品開発を合理化します。
PLM ソフトウェアとは何ですか?
製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトウェア・システムは、長期にわたって、企業が製造製品の開発、品質、収益性を最適化するためのスタンダードとなっています。PLM は、初期の構想から製品寿命の終了に至るまでの製品全体のプロセスにわたって情報を管理するための包括的なアプローチを提供します。
PLM ソリューションは、製品が寿命を迎えるまでのあらゆる要素(設計、開発、製造、販売、サポート、リサイクルを含む)をカバーします。PLM ソフトウェアは、プロセスを標準化し、共有製品定義に関係者を関連付けるため、ビジネスに不可欠です。
PLM におけるダッソー・システムズの歴史
- その始まりと発展
- ダッソー・システムズの役割
- PLM と PDM ソフトウェアの違い
- 3DEXPERIENCE プラットフォーム上の PLM
その始まりと発展
PLM の概念は、1980 年代に航空宇宙産業と自動車産業で生まれました。製品の複雑化に伴い、これらの業界は、製品ライフサイクル全体を通じて生成される膨大な量のデータを効果的に管理するための高度なシステムを必要としていました。
PLM の初期の特徴は、コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアや製品データ管理(PDM)システムが発展したことです。これらのツールにより、エンジニアは詳細なデジタル・モデルを作成し、製品関連の情報を体系的に管理できるようになりました。
ダッソー・システムズの役割
ENOVIA ブランドは 1998 年に設立され、製品の生産から寿命の終了までの製品ライフサイクル全体にわたる製品革新の手段として、世界初の 3D PLM システムを開発しました。
2012 年の 3DEXPERIENCE プラットフォームのリリースに伴い、ダッソー・システムズは PLM のカバー範囲を製品の枠以外にも広げ、製品が提供するエクスペリエンスまで拡張しました。
PLM と PDM ソフトウェアの違い
PDM と PLM は両方とも製品開発で使用されるソフトウェア・システムですが、使用目的が異なります。
- PDM: 開発の設計段階およびエンジニアリング段階を通じて製品データ(CAD)を管理することに重点を置いています。
- PLM: 構想から廃棄までに至るライフサイクルのすべての段階にわたって 、データ、プロセス、コラボレーションを含む製品情報をすべて管理することで、PDM の機能を拡張します。
3DEXPERIENCE プラットフォーム上の PLM
3DEXPERIENCE プラットフォームは、従来の PLM を超えて、設計、エンジニアリング、シミュレーション、および製造の各データを統合します。統合環境を介して人、アイデア、データをつなげ、バリュー・ネット・ワーク全体でのコラボレーションを強化し、従来のプロセスを変革します。
すべてのビジネス・プロセスの中核となるモデルにより、このプラットフォームは企業全体で効率的なモデルベース・システム・エンジニアリング(MBSE)を実現します。その結果、市場投入までの時間、品質、運用の俊敏性が大幅に向上します。
製品ライフサイクル管理ソフトウェアの主な利点
製品のライフサイクル管理と持続可能性
PLM を通じて、ジェネレーティブ・エコノミーと持続可能なイノベーションを実現します。
環境に配慮したイノベーションの推進
PLM は、業界全体で持続可能な慣行と環境に優しいイノベーションを推進する上で重要な役割を担います。PLM は、持続可能性に関する考慮事項を製品ライフサイクルのあらゆる段階に統合することで、企業が環境への影響を低減すると同時に、効率を向上させることを可能にします。
PLM システム内のライフサイクル評価(LCA)ツールを使用すると、企業は製品の環境フットプリントを評価し、最適化することができます。
この総合的なアプローチは、資源消費量を削減し、廃棄物を最小限に抑え、エネルギー効率を向上させる機会を特定するのに役立ちます。
さまざまなモノに再び命を吹き込むことが可能になります。廃棄物が新しい製品のリソースになるのです。
これぞまさしく 21 世紀の PLM です。ダッソー・システムズは、1990 年代に製品ライフサイクル管理を初めて開発し、今ではモノのリサイクルを仮想化しています。
各種業界の製品ライフサイクル管理
製品ライフサイクル管理がさまざまな業界でどのように適用されているか、また当社の PLM ソリューションが他社製品よりも優れていることをご確認ください。
ダッソー・システムズの PLM ソリューションでイノベーションを推進する
革新性と効率性を強化する ENOVIA は、3DEXPERIENCE プラットフォームの拡張性に優れたクラウドベースの PLM ソリューションによってビジネスを変革します。この連携アプローチは、コラボレーションを強化し、ワークフローを合理化して、データ主導の意思決定を促進して運用を最適化し、競争力を維持します。
ENOVIA の次世代 PLM
イノベーションは不可欠ですが、効率性と急速な進歩のバランスをとることは困難です。ENOVIA の PLM ソリューションは、拡張性を実現し、イノベーションを加速できるよう業務を変革します。ENOVIA を使って、自身が従事している業界の未来を築くことができます。
クラウドベースの PLM ソリューション
3DEXPERIENCE プラットフォーム・オン・ザ・クラウドは、どこからでもアクセスできる拡張性と柔軟性に優れたソリューションを提供します。グローバルなコラボレーションを強化するため、IT コストを削減し、市場の変化に迅速に適応できるようになります。
1 つのプラットフォームで無限の可能性
3DEXPERIENCE プラットフォームは、製品ライフサイクル管理を統合し、チーム間でのリアルタイム・コラボレーションを可能にします。サイロを壊すことで、効率性、イノベーション、すべての製品データの一元管理を促進します。
PLM ソリューションの真の価値を体験する
さまざまな規模の企業が、製品ライフサイクル管理ソリューションの導入からどのようなメリットを得ているかをご覧ください。
使用事例: PLM ソフトウェアを活用する主な事業部門
PLM が、製品ライフサイクル全体にわたるプロセスの合理化、コラボレーションの改善、コンプライアンスの確保によって、品質保証からコスト管理まで、主要な事業部門をどのように強化するかをご確認ください。
BOM: 部品表管理
BOM は製品に組み込まれる部品を指定します。効果的な BOM 管理は、プロダクト構成内の変更を評価および実装するための基盤となり、そのライフサイクルを通じて一貫性、品質、および法規制コンプライアンスを確保します。
品質保証とコンプライアンス
製品イノベーションを成功させるには、戦略的なポートフォリオ管理が必要です。PLM を使用すると、企業は製品ロードマップを定義、追跡、およびビジネス目標に合わせて調整することができます。ダッソー・システムズのソリューションは、ポートフォリオ管理を製品開発に関連付け、市場ニーズに合ったプロジェクトのスケジュールを立てられるようにします。
サプライ・チェーンの最適化
複雑でグローバルなサプライ・チェーンには、可視性と俊敏性が必要です。PLM を使用すると、サプライヤとのリアルタイムのコラボレーションが可能になり、企業は調達シナリオのモデル化、リスクの予測、コストと持続可能性の目標に合わせた意思決定を行うことができます。ダッソー・システムズのソリューションは、サプライ・チェーンの最適化、リード・タイムの短縮、および耐久性の向上を支援します。
コスト管理と収益性
設計から生産までのコスト管理が収益性を左右します。PLM は、リアルタイムのコスト追跡を統合し、チームが早期に財務的影響を予測できるように支援します。ダッソー・システムズのソリューションは、製品ライフサイクル全体で予防的な調整と利益最適化を実現する、コストに対する統一された観点を提供します。
複数分野にわたる設計コラボレーション
最新の製品には、機械、電気、ソフトウェアの各チーム間のシームレスなコラボレーションが必要です。ダッソー・システムズの PLM ソリューションは、サイロを壊すことで、エンジニアが並行して作業する統合的なデジタル環境を提供し、データの一貫性と開発サイクルの加速化を実現します。
製品開発とポートフォリオの管理
製品イノベーションを成功させるには、戦略的なポートフォリオ管理が必要です。PLM を使用すると、企業は製品ロードマップを定義、追跡、およびビジネス目標に合わせて調整することができます。ダッソー・システムズのソリューションは、ポートフォリオ管理を製品開発に関連付け、市場ニーズに合ったプロジェクトのスケジュールを立てられるようにします。
エンジニアリング・データの管理とセキュリティー確保
技術革新には、エンジニアリング・データの管理とセキュリティー確保が不可欠です。PLM は、設計ファイル、シミュレーション、ドキュメントを一元化することで、アクセス管理と法規制コンプライアンスを確保します。ダッソー・システムズのソリューションには暗号化、バージョン管理、およびコラボレーション・ツールが備わっているため、リスクを低減し、効率性を向上させることができます。
バーチャル・ツイン: 設計およびエンジニアリングを超えた PLM の拡張
バーチャル・ツインは、現在存在している製品やシステムをそのまま表現したものですが、これまでの設計方法、テスト方法、製造方法も表現し、さらには将来の運用方法と保守方法も表現します。
バーチャル・ツイン・エクスペリエンス
バーチャル・ツインはあらゆる場所、あらゆるものが対象です。
バーチャル・ツインは、その形状や性質の 3D 表現を初めとした、製品のライフサイクル、挙動、進化を全面的にモデル化したものです。設計、材料、プロセスを最適化すると同時に、ライフサイクル全体を通じてトレーサビリティを確保し、PLM をサポートします。
バーチャル・ツインは、物理世界とデジタル空間を橋渡しします。
最も価値のある知的財産を生み出し、保護するためには、製品、自然、生活を調和させる、あらゆるもののバーチャル・ツイン・エクスペリエンスをあらゆる人に創造することが極めて重要です。
ダッソー・システムズが PLM に注力している大きなポイント
イノベーション中心のソリューション
ダッソー・システムズは、製品のイノベーションを推進できるよう、最先端技術を優先的に扱っています。
持続可能性を重視
3DEXPERIENCE プラットフォームでは、製品ライフサイクル全体を通して環境に優しいプラクティスが統合されています。
業界固有の特性に対応
ダッソー・システムズは、業種ごとのニーズに応じた PLM ソリューションを提供します。
エンドツーエンドの統合
このプラットフォームは、すべての関係者と製品ライフサイクルのすべてのステージをシームレスにリアルタイムでつながるようにします。
顧客中心のアプローチ
ダッソー・システムズは、クライアント個別のニーズに合わせること、そして長期的なパートナーシップを築くことに重点を置いています。
いつでも、どこでも利用可能
IT の制約を受けることがなくなります。クラウドベースのプラットフォームでリアルタイムにコラボレーションできるようになるため、仕事の一貫性を維持できます。
詳細はこちら
ダッソー・システムズと製品ライフサイクル管理の詳細は、以下のコンテンツでご確認いただけます。
担当者へのお問い合わせ
フォームにご記入いただくと、製品やサービスのご不明な点について、ダッソー・システムズのエキスパートがお答えします。また、お客様のニーズをお聞かせください。
共に PLM の取り組みを変えていきましょう。お問い合わせはお早めにお願いします。
製品ライフサイクル管理に関する FAQ
はい、中小企業のお客様も PLM から大きなメリットを得られます。最新のクラウドベースの PLM ソリューションは、あらゆる規模の企業が効率性を向上し、エラーを削減し、大企業とより効果的に競争できるように、拡張性とコスト効率に優れたオプションを提供します。
PLM ソフトウェアの段階を大別すると、コンセプト開発、設計、製造、流通、製品寿命の終了の管理で構成されます。各段階では、ライフサイクル全体を通した製品の開発、品質、および性能を最適化するための個別のプロセスとツールが使用されます。
PLM システムの一般的な働きは次のとおりです。
- 製品関連のデータを一元管理します。
- コラボレーションとワークフロー管理を促進します。
- モデリングおよびシミュレーション用のツールを使用して、設計とエンジニアリングをサポートします。
- ライフサイクル全体を通じて変更と構成を管理します。
- サプライヤとのコラボレーションと調達プロセスを可能にします。
- 品質とコンプライアンスを管理します。
- 情報に基づいた意思決定のために、製品情報のトレーサビリティと分析を提供します。
PLM はすべての業界にメリットをもたらします。これまで、航空宇宙、自動車、産業機械などのエンジニアリング中心型の業界で採用されてきましたが、最新の PLM システムは、あらゆる規模のあらゆる業界や組織が導入しやすくなるよう進化しています。
主な課題には、変更への抵抗、データの移行、既存システムとの連携、ユーザーの採用の徹底、PLM 戦略とビジネス目標との一致などがあります。これらを克服するには、強力なリーダーシップ、包括的なトレーニング、段階的な導入アプローチが必要です。
PLM ソフトウェアは、コラボレーションを促進し、プロセスを合理化し、アイデア管理のための一元化されたプラットフォームを提供することで、イノベーションに貢献します。プロトタイプ作成の高速化、効率的なテスト、データ主導の意思決定を可能にし、革新的な製品の開発を加速します。
クラウドベースの PLM には、初期コストの削減、拡張性、リモートからのアクセスのしやすさ、IT メンテナンスの削減など、従来のオンプレミス・ソリューションに比べていくつかの利点があります。クラウドベースの PLM により、チームは場所を問わずリアルタイムにコラボレーションできるため、柔軟性と応答性が向上します。
製品ライフサイクル管理(PLM)とエンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)は、どちらも企業で使用されるソフトウェア・システムですが、組織内で異なる機能を提供します。
- PLM (製品ライフサイクル管理): 設計、製造、コラボレーションに焦点を合わせて、製品開発ライフサイクルを管理します。
- ERP (エンタープライズ・リソース・プランニング): 財務、人事、サプライ・チェーンの管理などの主要なビジネス・プロセスを部門間で連携させます。