Spark3D
受動素子の高周波絶縁破壊の電力レベルを判定
Spark3D とは何ですか?
Spark3D は、空洞共振器、導波菅、マイクロストリップ、アンテナなど、さまざまな受動素子における高周波(RF)絶縁破壊の電力レベルを判定するための独自のシミュレーション・ツールです。Spark3D は、CST Studio Suite シミュレーションから場の結果を直接インポートして、真空破壊(マルチパクター)と気体放電を解析できます。ここから、放電効果を引き起こすことなくデバイスが処理できる最大電力を計算します。
任意のコンポーネントの RF 絶縁破壊の電力レベルを判定する一般的な近似手法は、意図的に過剰さを抑えています。Spark3D は、絶縁破壊現象を数値的に解析し、より現実的な絶縁破壊の電力レベルを予測して、設計余裕を改善します。
Spark3D の主な特徴
- 各種の EM ソルバーから電磁(EM)場データをインポート。
- 絶縁破壊電力のしきい値を自動判定。
- 解析のどの部分に重点を置くかを選択する解析ボックスを定義。
- 表、プロット、3D ビュー形式での豊富なシミュレーション・データを備えた出力インターフェース。
Spark3D は CST Studio Suite® のオプション製品ですが、単体製品としてもご利用いただけます。
- マルチパクター解析
- 気体放電シミュレーション
マルチパクター解析
真空状態の RF 絶縁破壊
マルチパクター効果とは、電子雲の形成によって真空状態の高周波で発生するマイクロ波放電の絶縁破壊のことです。高エネルギーの電子が装置の壁に衝突し、二次電子を放出し、最終的に電子雪崩を発生させます。電子が連続的に放出されると、電子プラズマが発生し、コンポーネントの反応が低下します。
Spark3D により、3D 電磁場分布を考慮したうえで、マルチパクター効果の完全数値化シミュレーションを実施できます。このシミュレーションを実行するために、Spark3D は電子をコンポーネントに放出し、その軌道を追跡し、時間経過に伴う電子数の変化をチェックします。
気体放電解析
気体とプラズマにおける RF 絶縁破壊
気体放電(コロナ放電またはイオン化絶縁破壊とも呼ばれる)とは、気体が満たされたコンポーネント内において、電子雲の形成により引き起こされるマイクロ波放電破壊です。高エネルギー電子が気体分子と衝突し、イオン化によってさらに多くの電子を放出した結果、最終的に電子プラズマが形成されます。このプラズマはコンポーネントの反応を低下させ、最終的にはコンポーネントを破壊する可能性があります。
Spark3D により、3D 電磁場分布を考慮したうえで、コロナ放電の完全数値化シミュレーションを実施できます。Spark3D は、コンポーネント内の自由電子連続方程式を解き、特定の入力電力レベルにおいて時間の経過とともに電子密度が増加するかどうかをチェックします。これにより、装置の絶縁破壊電圧と電力レベルを計算できます。
さあ、始めましょう
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RF 絶縁破壊に関する FAQ
Spark3D コロナ・モジュールのベースは、自由電子密度の連続方程式を解くための、専用の FEM 技術を使用する数値アルゴリズムです。Spark3D マルチパクター・モジュールのベースは、経路積分のためのリープ・フロッグ法アルゴリズムと、素材の SEY 特性評価のための Vaughan モデルを採用した完全な 3D 電子トラッカーです。これにより、任意の形状を含む複雑な構造の絶縁破壊分析を短い計算時間で行なうことができます。
絶縁破壊解析では、マルチパクターやコロナ放電が発生する可能性を特定するために、コンポーネント内の粒子の挙動と媒体の絶縁破壊特性を考慮に入れ、装置内の電界をモデル化します。
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