Tosca

FEAおよびCFDシミュレーションに基づいた効率最適化

風力発電機のメインシャフトの耐久性向上

お客様の要望

 

高性能、高出力化の要求のために風力タービン部品のサイズが大きくなり、設計の制約が厳しくなるのと同時に、認証のための規制も厳しくなっています。従って、風力タービン部品の開発サイクルはさらに複雑化してきています。風力発電機のメインシャフトは、その耐用年数の間、振動曲げ荷重を受け続けますが、同様に極端な負荷にも耐えなければなりません。このため、メインシャフトの設計では、20年というシャフト寿命を保証するために、高い耐久性と高い信頼性を考慮する必要があります。

当社のソリューション:Tosca Structureによる形状の最適化

 

応力最小化のためにTosca Structure.shapeを適用する際、ドライブトレインシステムのメインシャフトの応力集中領域を考慮します。これら臨界応力に迫る応力集中領域は、ベアリング間のノッチ、シャフトをハブに取り付けるためのそれぞれの曲率の差、中空シャフトの内面、および境界面の接触領域を対象とします。Tosca Structure.shapeは、第1主応力の最小化のため、フロントノッチの表面形状を変更します。これは主に曲げ荷重に対して適用されます。そのため、第1主応力は軸の耐久性と寿命に直接関係します。ノッチの自動最適化により、オリジナルの半径形状から異なる曲率へと変更されます。さらに、最適化実施中では、軸受へのサイドノッチの回転形状の維持および変形禁止といったような、異なる組み合わせによる製造上の制約が考慮されます。これにより、新しいメインシャフト形状は、既存の製造要件に直接適用されます。

お客様にとってのメリット

 

応力の最大値は、自動化された最適化プロセスの10回の繰り返し計算によって300MPaから200MPaに減少しました。部品表面の形状変更は僅かではあるものの、非常に効果的に応力集中を緩和します。設計形状の変更が微小であったため、製造工程においてわずかな変更が必要でした。この新設計案により、メインシャフトは信頼性と寿命の両方を大幅に向上し、より大きな動作負荷に適用できるようになったため、システム全体の高出力、高負荷運用が可能になります。