Spark3Dは、空洞共振器、導波菅、マイクロストリップ、アンテナなど、さまざまな受動素子におけるRF絶縁破壊のパワーレベルを判定するための独自のシミュレーション・ツールです。CST Studio Suite®シミュレーションからの場の結果はSpark3Dへと直接インポートして、真空絶縁破壊(マルチパクター)や気体放電の解析に利用できます。Spark3Dはここから、放電効果を引き起こすことなくデバイスが処理できる最大電力を計算します。任意のコンポーネントのRF絶縁破壊の電力レベルを判定する既存の近似アプローチは、いずれも旧態依然としています。Spark3Dは、絶縁破壊現象を数値的に解析し、より現実的な絶縁破壊の電力レベルを予測して、設計余裕を改善します。Spark3Dの主要機能を次に示します:
Spark3DはCST Studio Suite®のオプション製品であり、単体製品としても入手可能です。
マルチパクター効果とは、電子雪崩の発生によって、真空状態で引き起こされるマイクロ波放電の破壊です。この雪崩は、高エネルギー電子がデバイスの壁に衝突し、二次電子を放出することによって発生します。その結果、プラズマが発生し、コンポーネントの反応は低下します。
Spark3Dにより、ユーザーは、3D電磁場分布を考慮したうえで、マルチパクター効果の完全数値化シミュレーションを実施できます。そのためには、コンポーネントで電子を発射し、それらの軌道を追跡し、時間経過に伴う電子数の増加をチェックします。
気体放電(コロナ放電またはイオン化絶縁破壊とも呼ばれる)とは、雪崩状に電子が増加のする現象の発生に伴い、気体が満たされたコンポーネント内で引き起こされる放電破壊です。この雪崩状の電子の増加は、電子が気体分子に衝突したときに発生します。その結果、プラズマが出現し、そのコンポーネントの反応を低下させ、最終的には破壊する場合もあります。
Spark3Dにより、ユーザーは、3D電磁場分布を考慮したうえで、コロナ放電の完全数値化シミュレーションを実施できます。そのためには、コンポーネントにおける自由電子連続方程式を解決し、特定の入力電力レベルでその密度が時間と共に成長するかどうかを確認します。
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