パネル変形向けPowerFLOW

 

シミュレーションを通して品質を最適化

 

燃費効率と性能を最大化するため、車両の設計では最大限まで軽量化を追求します。これにより、部品コストを削減でき、車両の加速に必要なエンジン出力も直接抑えることができます。しかし、構造部品や車体パネルの材料を減らすことで、剛性が低下するだけなく、部品が振動の影響を受けやすくなり、車室内に騒音が伝わる可能性があります。こうした振動は、車両の空力によって生じる動的負荷が原因で発生します。また、剛性の低下が、静荷重条件下でパネルの変形を引き起こしたり、ドアや窓のパッキンから空気が漏れたりする可能性があり、車室内の大きな騒音につながります。静荷重条件は、通常の運転条件下または強い横風を受けた場合、空力荷重が分散することで発生します。

技術面での課題

構造性能と空力負荷は独自に連成しているため、振動とパネル変形を回避しつつ、構造上の要件を満たすことが、車両エンジニアにとっての課題です。通常、パネル変形のテストは、精巧な試作品を使用して設計プロセスの後半に実施されます。風洞試験では静荷重条件を確認できますが、路上での非定常流の発生条件を再現することはできません。パネル振動の障害は、路上テストでしか検知できません。

設計プロセスの初期段階では、構造上の要件を満たすため、部品の過剰設計や部品重量の増加、部品コストの追加といった方法を取るのが一般的です。ドア・マウントやパッキンは、フレームとの接合が保持されるように設計されます。振動やドアのパッキンの問題を見逃すと、大きな負担が生じる可能性があります。構造剛性の問題を設計プロセスの最終段階で修正することになり、設備の入れ替えや部品の追加で莫大なコストが発生するからです。

 

SIMULIAソリューション

PowerFLOWは、本質的に非定常性を備え、振動や静荷重の原因となる表面の圧力変動を簡単かつ正確に予測します。このため、パネル変形の問題解決につながる予測が可能です。静荷重および過渡荷重は、任意の構造解析ソルバーと組み合わせて使用し、振動、静的変形、シール性能を計算することができます。