Opera Solutions
低周波・荷電粒子用途のシミュレーションに特化した高度な解法
低周波電磁界解析に特化した解法セット
Opera Simulation Software は有限要素解析ソフトウェア・スイートです。電磁(EM)系や電気機械系のシミュレーションを 2 次元と 3 次元で実行できます。Opera の優れた低周波シミュレーション性能を既存の SIMULIA EM ポートフォリオに組み合わせると、磁石や電気モーターなど電気機械の設計に役立ちます。
- 静電磁界
- 動的電磁界
- 運動
- クエンチ
- 熱と機械
- 荷電粒子
Static モジュール
科学・工学用途で広く利用されている Opera Static モジュールは、静磁場と静電場を計算するモジュールです。有限要素法を使用して、離散化モデルにおける静磁場・静電場のマクスウェル方程式を解きます。3D 静磁場の場合、Static モジュールに使われているアルゴリズムは、磁気源を含むモデル内のボリュームを、磁気源を含まないボリュームとは異なる方法で自動的に処理します。他の解法を使うと起こり得るキャンセル・エラーは、この強力な手法を使うことで巧みに回避できます。そのため、この解の精度は多くの場合、有限要素解析に期待される精度よりもはるかに高くなります。このモジュールでは、磁性材料特性を線形、非線形、等方性、異方性、積層、または永久磁石として指定できます。3D では、極端な精度を使ってコイル/ソレノイドをシミュレートできます。Opera の独自手法では、コイルから磁場を計算するためにビオ・サバールの積分を展開します。Opera-3D には便利なライブラリが付属しており、ソレノイドやレーストラックなどの標準的な形状を簡単に定義できます。また、あらゆるトポロジーのコイルを作成できる柔軟性があります。オプション[損失性誘電体(Lossy Dielectric)]を使用することで、低導電率の誘電体の電荷から発生する電場をシミュレートできます。
Dynamic Electromagnetic モジュール
Opera Dynamic Electromagnetic モジュールは、電磁界を利用する電機機械系における時間変化する電磁場と渦電流を計算します。この計算には、移動導体によって誘導される渦電流も含まれます。これは、運動が形状を変化させないことを意味します。例えば、回転するディスクや一定の断面を持つ無限のパイプなどです。
時間変化の形式に応じて3種類の動的解析が利用可能です。
- 調和(Harmonic)は、すべての場と電位が同じ周波数で振動している、定常状態の AC 電流を計算します。
- 非定常解析(Transient)は、あらかじめ定められた方法で時間変化する駆動電流、境界条件、および外部場によって誘導される非定常の渦電流を計算します。
- 固定速度(Fixed Velocity)は、モデルの形状を変化させない運動によって誘導される渦電流を計算します。電場源と駆動条件は不変です。
Electromagnetic Motion モジュール
Opera Electromagnetic Motional モジュールは、回転または直線運動を伴う機器内の時間変化する電磁場および渦電流を計算し、解析中にメッシュの再生成(リメッシング)を行います。形状の一部、およびそれに対応する有限要素メッシュは、ユーザーが設定した速度や解析の進行に応じて独立して移動できます。この非定常解析では、移動する磁場の影響と、モデルソースの時間変化の両方によって導電体内に誘導される渦電流を考慮します。
このモジュールは、永久磁石(PM)、誘導、スイッチト・リラクタンス、同期、同期リラクタンスなど、あらゆるタイプの電気機械の動的モデリングが可能であり、整流効果(コミュテーション)、過渡応答、定常状態性能、局所非平衡効果を調査できます。
また、永久磁石を含むすべての材料内の渦電流損失も計算します。計算には、正常状態、故障状態、動的機械荷重がかかった状態の電気駆動を含めることができます。このモジュールは、各時間ステップで稼働部品(回転または直線移動)の電磁力を計算し、増分運動を適用した後に電磁場を再計算します。
Quench モジュール
このモジュールは、超伝導磁石のクエンチングを解析します。Opera Quench モジュールは、クエンチ中の超伝導磁石の温度上昇(クエンチが磁石全体に広がるときの抵抗遷移を含む)をシミュレートします。クエンチを引き起こす熱はさまざまな要因によるものです。一般的に、DCシステムでは、冷却システムの故障、システムの過度な急速励磁、あるいは試験状況で意図的に加えられる熱が原因となります。シミュレーションでは、この熱は表面/ボリュームの特性として、または材料内の電流や電場による速度依存損失、抵抗損失、ヒステリシス損失として、計算に含めることができます。この場合、熱伝導率は巻線の巻き方向に大きく左右され、材料は有意の異方性を持っていることから、効率性や精度を追求するには固有のモデリング手法が必要です。
Opera Quench モジュールは、高度な有限要素(FE)手法を用いて、クエンチ発生時の磁石の高度に非線形で非定常な挙動をモデル化します。電磁解析と熱解析、回路解析を連成させ、コイル内の電流を決定するアルゴリズムを使用することで、クエンチの全過程を詳細に解析します。
Thermal/Stress Analysis モジュール
Opera Thermal Analysis モジュールは、電磁加熱または外部熱源による定常または非定常の温度、熱流束、熱勾配場を計算します。場所に応じて熱伝導率テンソル、比熱、熱源密度などの熱特性を位置関数として指定できます。また、これらの熱特性を温度依存性として設定することもでき、その場合は非線形解析が必要となります。
スタンドアロン・モードでは、熱解析モジュールの熱入力の分布はユーザーが定義します。一方、マルチフィジックス・シミュレーションでは、他の Opera ソリューション・モジュールが熱の分布を提供します。1 回の計算に複数の熱源(モーター内の渦電流損や鉄損など)を含めることができます。熱解析モジュールは、モデル内の温度分布を計算し、材料特性が温度依存性を持つ場合は、電磁界解析の結果を適宜修正します。さらに、応力解析モジュールを使用すると、熱膨張によって生じる応力を解析できます。その後の熱解析および電磁界解析では、これによる変形を考慮し、より高精度な結果を得ることができます。
Stress Solver は、2 次元または 3 次元の線形静的応力を解析でき、変形量、ひずみ、応力が計算結果に含まれます。さらに、3次元解析では、構造の固有モード、すなわち固有値と固有ベクトルも計算します。
Charged Particle モジュール
Opera Charged Particle モジュールは、静電場および静磁場の荷電粒子の相互作用を計算します。有限要素法を使用して、離散化モデルにおける定常状態のマクスウェル方程式を解きます。加えて、空間電荷効果、自己磁場効果、相対論的運動効果などの自己無撞着解を得られます。
Charged Particle モジュールには、エミッター・モデルの包括的なセットが用意されています。このセットには、表面からの熱電子放出および電場効果放出、表面およびボリューム内からの 2 次放出(ガス電離のモデリングに使用)、非磁化プラズマと磁化プラズマ用のモデルが含まれます。複数種の荷電粒子のそれぞれに、ユーザー定義の電荷と質量を設定することができます。
マルチフィジックス解析では、Charged Particle モジュールは粒子ビーム生成熱をシミュレートできます。
その他の情報
SIMULIA のソリューションの詳細
組織の規模の大小を問わず、シームレスなコラボレーションと持続可能なイノベーションに、当社のソリューションがどう役立つかについて、SIMULIA の担当技術者がご説明します。
はじめに
学生、教育機関、専門家、企業向けのコースとクラスをご用意しています。お客様に最適な SIMULIA トレーニングを受講してください。
サポートの利用
ソフトウェアやハードウェアの資格認定、ソフトウェアのダウンロード、ユーザー・マニュアル、サポート連絡先、サービス・オファリングに関する情報はこちら