ダッソー・システムズ、仏スタートアップの買収によりサイバー・フィジカル・システムズ・エンジニアリング戦略を強化 より安全でスマートな「つながる世界」の実現へ

2019 年3月5日 - 仏ヴェリジー=ヴィラクブレー発 日本語参考訳 - ダッソー・システムズはスタートアップ企業のArgosim社を買収しました。同社の実績ある人工知能テクノロジーを、ダッソー・システムズのモデルベース・システムズ・エンジニアリング (MBSE) や組込みシステム向けアーキテクチャのバックボーンとして活用します。

フランス、グルノーブルに本拠を置くArgosim社の買収により、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームとインダストリー・ソリューション・エクスペリエンスが強化されます。特に、スマートカーやスマートホーム、スマートシティなどに使われる複雑な自律システムを開発する際に利用される、ダッソー・システムズのインダストリー・ソリューション・エクスペリエンス (スマート、セーフ&コネクテッドなど) の機能向上につながります。

Argosim社は要求仕様検証ツールのソフトウェア・ソリューションSTIMULUSを開発しています。STIMULUSを使用することで、システムアーキテクトは要求仕様の段階でシステムの動作イメージを把握し、要求仕様の矛盾や漏れを網羅的に検証できます。システムズ・エンジニアリングでは、要求仕様の不具合が原因で、本来品質とは関係のないシステムの問題が、後工程になって発生することがあります。STIMULUSは、設計プロセスの初期段階、すなわち、機能設計が始まる前の段階で、要求仕様の抜け、漏れ、曖昧さといった不具合を検出することで、要求仕様の品質を高め、組込みシステムの検証と安全性に足るものにします。STIMULUSを使用した網羅的な検証を通じて不確定要素を把握しモデリングを行うことは、「すぐに使える」サイバー・フィジカル・システムの実現に寄与します。

Argosim社のCEOであるFabien Gaucher氏は次のように語ります。「当社はシステム仕様シミュレーションのパイオニアとして包括的なビジョンを持ち、次のパラダイムシフトに向けて行動できるリーダーを探し求めていました。今日までの5年間、私は光栄にも指導者としてArgosimチームを導いてきましたが、これからはチーム全員がダッソー・システムズの一員として新たな冒険に挑み、サイバー・フィジカル・システムのエンジニアリングにおける壮大な計画を共に実現できることを楽しみにしています」

ダッソー・システムズのCATIA担当最高責任者Philippe Lauferは次のように述べます。「シミュレーションとモデリングの統合は、我々のコグニティブ・オーグメンテッド・デザイン戦略の中心となるものです。Argosim社が加わることで、ソフトウェアと組込みシステムのアーキテクチャをモデリングしてシミュレーションするソリューションの基盤を強化することができます。自動運転車の車載システムの性能と信頼性といったサイバー・システムに関する要求や規制には大きな課題があります。そのため、こうした要求を早期段階で確実に検証することが、市場投入までの時間を短縮するうえで非常に重要になります」