A. Zahner社

同社は、ダッソー・システムズ3DEXPERIENCEプラットフォームおよびクラウド版のインダストリー・ソリューションをメリーランド州メリーウェザー・パークに立地するクリサリス円形劇場の建築制作に採用しています。

建築の芸術性

同社は、米国拠点の建築エンジニアリング、製造、建設企業です。元々の事業はシート・メタル製作でした。1897年の創業以来、この同族経営企業は、ロサンゼルスのピーターセン自動車博物館など、世界で最も新奇な形状の建築用金属構造物を創案および製作しています。1980年代、デジタル技術が進展する中、同社はより芸術性の高い建築アプローチを採用し始めました。その後、長年にわたって数々のアワードを受賞して国際的に高い評価を受けています。「3Dデジタル技術により、より複雑な形状を設計できるようになりました。2D図面による制約は、もはやありません。建築プロジェクトがさらに複雑化する中、テクノロジーが可能性の限界を押し広げています。」(ZAHNER社、社長兼CEO、L. William Zahner氏)

ZAHNER社は、建築のデジタル化へのシフトの最前線に立っています。「当社は、ビルディング・インフォメーション・モデリングとデジタル定義を利用して透明性を高め、より無駄のない合理的な建設プロセスにより、問題点を減らしています。今日の建設業界における最大の課題は、従来の建築プロジェクトの反復プロセスに縛られていることです。作業の分断化により、コミュニケーションに支障が生じているため、これを解決して全員が適切な情報を適時にやり取りできるようにしなければなりません。私たちの業界が、この点で遅れをとっているのは明らかです。」(L. William Zahner氏)

ZAHNER社の最高執行責任者Tom Zahner氏は、構造物の設計、エンジニアリング、製作の方法を3つの主な領域を改善して、同社の現状を知り、可能性を見い出すのに3DEXPERIENCE®プラットフォームが役立っていると考えています。「1つ目は、適時に適切な仕事を行うことです。2つ目は、言語や専門分野を問わず、3Dによって誰もが容易に設計を理解して意思決定を早めることです。3つ目は、互換性のないソフトウェアを使用しないことです。データを解釈する必要がある場合、無駄な時間を要し、作業に集中できません。この独自のプラットフォームは全体的に互換性があり、プロジェクトを前進させるために行うべきことを誰もが明確に理解できます。」(Tom Zahner氏)

ZAHNERの未来は希望に満ちています。当社は3DEXPERIENCEプラットフォームにより、建築の限界を押し広げる、すべての機能を備えています。

L. William Zahner氏

L. William Zahner氏

ZAHNER社 社長兼CEO

連携によるプロセスの進展

ZAHNER社の経営陣は、プロジェクトを成功させるには、効率的かつ連携的なコンポーネントが必要であると考えています。「プロジェクトのライフサイクル全体を通じて、連携的な取り組みには変化があります。これには、設計が成熟化されていない早期の段階から、実際に建造物を建設、実行、完了する最終段階までが含まれます。当社は、柔軟かつ俊敏な連携により、極めて初期の段階から最終段階に至るまで、設計チームとより多くのやり取りすることを目指しています。」(Tom Zahner氏)

設計の複雑さが増す中、効率的なコミュニケーションを実現し、どのような状況にも適用できる強力かつ柔軟なテクノロジーが必要です。この課題を解決するために、ZAHNER社は、ダッソー・システムズ3DEXPERIENCEプラットフォームおよびクラウド版のインダストリー・ソリューションを採用しています。これには、CATIA(設計)、ENOVIA(プロジェクトのコーディネーションおよび連携)が含まれています。「メリーランド州コロンビアの高さ70フィートのクリサリス円形劇場の建設プロジェクトにおける建築製作に3DEXPERIENCEプラットフォームを採用することを決定しました。採用の理由は、部品が複雑であるためCATIAのような強力な設計ソリューションが必要であったこと、また複雑さが増す中、さまざまな関係者とより効率的なコミュニケーションを促進する必要があったからです。」(Tom Zahner氏)

ニューヨーク市を本拠とするMarc Fornes & The Very Many社が設計した円形劇場は、ZAHNER社の多面的かつ芸術性の高いアーキテクチャの側面が際立つ幾何学的形状です。「クリサリス円形劇場は、ユークリッド幾何学や直線幾何学にとらわれない、斬新かつ複雑な形状とサーフェスで構成されています。その外殻は非常に複雑です。この建造物がどのように建設されたのか一目では理解できないはずです。」(L. William Zahner氏)

「一般的な建築ではないため、最終的に完成する建造物をクライアントに対して正確に説明することが重要でした。クリサリス円形劇場は、これまでの建造物とはまったく異なります。そのため、かなり早い段階から、当社が何を行っているのかクライアントに説明することが、私たちの重要な仕事の一部でした。3DEXPERIENCEプラットフォームは、これをリアルタイムで伝えるのに役立ちます。」(ZAHNER社、シニア・プロジェクト・エンジニア、Shannon Cole氏)

同社は、3DEXPERIENCEプラットフォームにより、早期段階で建造物をすべての関係者に可視化して、問題発生時に対処できるようにしています。「クリサリス円形劇場には一般的な壁面がありません。明確な境界線がないため、建造物内を辿っていくことが大変難しいです。このため、3DEXPERIENCEプラットフォームを使って、関係者が建造物を回転させながら内部構造を確認して課題や懸念のあるエリアを特定して、各担当者が問題点を解決しています。

落札時に完全に設計されていない要素がいくつかあることは、特に珍しいことではありません。しかし3DEXPERIENCEプラットフォームにより、問題点を適時に特定して、チームが特定のエリアの作業に注力できたことが大きな価値をもたらしました。」(Tom Zahner氏)

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クリサリス円形劇場のが外装(3DEXPERIENCEプラットフォームの3DDashboardによる表示)

履歴の作成

クリサリス円形劇場には多くの動的なコンポーネントが含まれています。そのため、すべての関係者が迅速かつ効率的に更新できる柔軟なプラットフォームが必要でした。「プロジェクトの進捗に沿って、施主(Inner Arbor Trust社)、ゼネコン、サプライヤー、パートナー、設計および建設チームのすべての関係者が、リアルタイムで情報にアクセスできるようにする必要がありました。」(Tom Zahner氏)

「このプロジェクトでは、情報をクライアントに提供するタッチ・ポイントとしてダッシュボードを使用しました。設計作業を進めながら、また外部のコンサルタントから図面を受け取りながら、注釈を付けて履歴を表示しています。クライアントは、この履歴にアクセスすることができ、すべての段階で追加された注釈が通知されます。当社の発想や現在何を設計中なのか、それがどのような外観になるのかを可視化して伝えています。これにより、2D図面では絶対に得られない安心感と確信をクライアントに持っていただけます。」(Cole氏)

ZAHNER社の従業員は、プロジェクト関係者とのミーティングに3DEXPERIENCEプラットフォームのダッシュボードを使用しています。「このダッシュボードを建築家、施主、設計者とのコーディネーションが必要なミーティングで大いに活用しています。ビデオ会議通話中にその場で注釈を送って話し合いを進めています。いくつかのポイントを明確にする必要がある場合、デジタル・モデルを利用しています。エンジニアがズームインして素早くスケッチを描いて注釈を付けてミーティング・ノートに保存できます。後でこの情報をミーティングに出席していなかった関係者と共有することもできます。」(ZAHNER社、シニア製造エンジニア、Jeff Cunningham氏)

3DEXPERIENCEのダッシュボードにより、設計者が情報を分かりやすい履歴形式で即座に共有できます。「オンライン履歴を最新の状態に維持しています。これにより、電子メールのやり取りでありがちな情報の欠落を回避しています。アンカーの画像を何十ものメールのやり取りから探し出すには手間がかかりますが、このダッシュボードを使えば直ぐに表示できます。」(Cole氏)

3DEXPERIENCEプラットフォームの連携機能が、ZAHNER社とプロジェクト関係者の間でまったく新しい効率的なコミュニケーション手段をもたらしています。これにより、複雑な構造をシンプルかつ非常に正確に作成できるようになりました。」(William Zahner氏)

また、このダッシュボードは完全にカスタマイズ可能です。「ユーザーがダッシュボードを各自の担当業務に合わせてカスタマイズして、各自に必要な情報のみを表示できます。ウィジェットを直感的に操作してレイアウトを変更できるため、教育中の新入社員がダッシュボードのカスタマイズを学習する必要もないほど簡単に操作できます。」(ZAHNER社、VDC(建設の仮想設計)技術専門家、Kyle Watson氏)

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ZAHNER社がCATIA 3Dモデリングにより、マサチューセッツ工科大学のレイ&マリア・スタータ・センターのファサード(設計担当:Frank Gehry氏)を構築

適切なデータにアクセス

ZAHNER社は、すべてのコミュニケーション・ツール(モデリング、スプレッドシート、画像など)を単一のプラットフォームに統合することでメリットを得ています。「3DEXPERIENCEプラットフォームにより、多くの雑務をなくし、本当に重要なこと、つまりスプレッドシートを探し出すことよりも、プロジェクトの課題を解決することに注力できます。」(Cunningham氏)

「構想から設計および建築製作に至るまで、単一のプラットフォームを使用することで得られる設計者にとっての主なメリットは、アイデアの流れに沿って、一定の部品が各所で使われている理由を追跡できることです。つまり、これまでの経緯を容易に確認および理解できます。」(Cole氏)

「これは、当社の仕事に大きな効果をもたらしています。プロジェクトのタイムラインを短縮し、より合理的な方法で進めることができます。3DEXPERIENCEプラットフォームにより、この業界において、当社が大きな優位性を獲得していると確信しています。」(Watson氏)

既存の枠組みを超える

3DEXPERIENCEプラットフォームにより、同社は既存の枠組みを超える発想および製作を推進し続けています。「ZAHNERの未来は希望に満ちています。当社は3DEXPERIENCEプラットフォームにより、建築の限界を押し広げる、すべての機能を備えています。例えば、有機的な曲面を設計に取り入れて建築できます。当社は、ENOVIAの機能を部品管理および購買に拡張し、SIMULIAをすべての構造解析のニーズに採用する予定です。」(L. William Zahner氏)

「現在取り組んでいるタイプのプロジェクトは、20年前には不可能でした。3DEXPERIENCEプラットフォームがそれを可能にしています。」(Cole氏)

「ZAHNERのみならず、AEC業界全体が設計の限界を押し広げています。芸術性の高い外観デザインから建造物の空調に関する最新の技術を取り入れた設計に至るまで、高度な建築には効果的な連携プラットフォームが必要です。3DEXPERIENCEプラットフォームは、従来の建設技術が直面している障壁を排除して、AEC業界が近代的な進化を遂げるために必要なすべてを提供しています。」(Tom Zahner氏)

「ファサードやその他の建築要素の動的または動力学的な側面が、これからの最大の変革のひとつです。」(L. William Zahner氏)「3DEXPERIENCEプラットフォームにより、形状の変化により、建造物全体にどの種の力が及ぼされるのか予測できます - 今日これを行うことは容易ではありません。

3DEXPERIENCEプラットフォームにより、芸術性の高いデザインを施主に提供し、これまで以上に迅速かつより効果的に際立った構造物を制作できます。このプラットフォームのデジタル・シミュレーション機能により、構造物の経時的な展開を予測できます。この情報を設計に反映させることで、より精度の高い建築物を低コストで実現できます。さらに、着工前に建設のデジタル・シミュレーションを行うことで、クライアントに建築可能であることを納得していただくことができます。その可能性は、まさに無限大です

A. Zahner Company logo

A. Zahner社について

A. Zahner社は、カスタム・アートと建築システムに特化したエンジニアリングおよび建築製作企業です。

製品:建築および構造物のファサード

従業員数:190人

本社:アメリカ合衆国ミズーリ州カンザスシティ

詳細情報:www.azahner.com