Xos社

ロサンゼルスに本社を置くXos社は、商用輸送の脱炭素化を使命とし、車両オーナーが、従来の内燃エンジンから100%バッテリー電気へのシームレスに移行を促すことを目指しています。エレクトリック・モビリティの需要が増え続けている中、同社はすべての製品開発を管理し、市場投入までの期間を短縮できるエンドツーエンドのプラットフォームを必要としていました。

トラック配送の脱炭素化

配送車両は大気汚染の発生源です。ギリシャHellenic交通研究所は、ヨーロッパでは現在、都市部における二酸化炭素排出量の20%から30%がラストマイル配送によるものと推定しています。米国では温室効果ガス総排出量の27%が運輸業界から排出されています。規制当局は、この深刻な状況の是正を求めており、Xos社などの企業がそれに取り組んでいます。

Xos社は、商用トラックの脱炭素化を目指すフリート・サービス・プロバイダでありOEMです。創業者のDakota Semler氏とGiordano Sordoni氏は、元フリートオーナー兼オペレーターであり、排出ガス規制の強化やメンテナンス/燃料コストの上昇といった課題に直面して、その解決策を模索していました。ロサンゼルスに本社をおく同社は、100%バッテリー駆動のクラス5から8の中型・大型トラックを設計・製造しています。これらのトラックは、物流拠点と配送先を結ぶラストマイルを毎日最長440キロ往復走行しています。

Xos社のCEOであるDakota Semler氏は述べています。「クラス3からクラス8の商用車の約70%が毎日320キロ以下の配送ルートを走行しています。毎日配送後配送拠点に戻り、そこで夜間に専用の充電インフラにアクセスできます。つまり、電動化に最適といえます。このように配送ルートが確定している場合、技術の成熟化を待つ必要はありません。」

現在、FedEx Ground、Loomis、UniFirstなどが運行する数十台のバッテリー駆動型のXos社製電気トラックが、アメリカ中の家庭や企業に配送しています。走行距離、積載量、コスト効率、操安性、容易な充電などの要件を満たす車両を提供していることが、これらの顧客がXos社を選ぶ理由です。

「この分野専用に設計された商用電動車を製造しているのは唯一当社だけです。実際に車両のオーナが総所有コストの削減を本当に果たしてしています。電池パックをはじめ、当社は耐久性を車両システムに組み込んでいます。また、3年から5年以内に総所有コストを削減できることにも重点を置いています。これを達成する車両を設計して、導入当日から顧客に価値をもたらしています」。

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Xos社の商用輸送の脱炭素化を使命とし、車両オーナーが、従来の内燃エンジンから100%バッテリー電気へとシームレスに移行できるよう支援しています。(Image © Xos)

急成長、需要の増加

Xos社の製品およびサービスの需要が増えています。これに対応するため、同社は2016年の創業以来従業員を4倍に増やし、2021年5月に85,000平方フィートのロサンゼルス本社を新設、また新たに2つの柔軟な製造施設を稼働させています。サービスの範囲と規模が拡大し続ける中、すべての製品開発プロセスを一元管理する強力な技術プラットフォームが必要であることXos社は認識していました。

「ビジネスの成長に伴い、直面した最大の課題のひとつは、途切れることのない需要の増加でした。既存のシステムと製造能力だけで、このような需要に対応するのは実に困難でした。3DEXPERIENCE プラットフォームを導入するまで、コンピュータ支援設計(CAD)、製品ライフサイクル管理(PLM)、企業資源計画(ERP)システムを別々の環境で運用していました。これらのシステム間でのデータ交換にミスが発生したり、キャリーオーバー面での課題が生じていました。現在はバリューチェーンのさらに多くを単一のシステムに組み込んでいます。製品開発ライフサイクルの短縮により、市場投入までの期間を早めて、迅速に投資を回収して利益を上げることができます。3DEXPERIENCE プラットフォームにより、これを実現しています」。

Xos社がクラウド版の3DEXPERIENCE プラットフォームを選択した主な目的は、技術を統合して製品開発戦略を加速させることでした。

Xos社の製品開発オペレーション担当ディレクターであるMatt Sommer氏は次のように述べています。「3DEXPERIENCE プラットフォームの最大のビジネス・インパクトは、その他の市場にも迅速に対応できることです。当社は新興企業であり、完全な事業運営に必要なすべてのツールやプロセスを迅速に導入することは困難です。クラウド版の3DEXPERIENCEプラットフォームの場合、優れた製品をつくるという本業を妨げる、IT導入や他の作業を心配せずに、迅速にプロセスを導入できます。」

3DEXPERIENCE プラットフォームにより、当社の技術をより一貫性のある方法で提供しています。クラウドのオペレーションにより、インフラを早期かつ適切にセットアップして、生産およびエンジニアリング・チームの規模拡張に合わせてインフラを継続的にサポートできます」。

クラウドの導入は、Xos社にとってさまざまな面で妥当な選択です。たとえば、先行投資をせずにエンタープライズ・レベルのITにアクセスできます。

「オンプレミスではなくクラウドを採用したのは、インフラを用意することなく、ビジネスの成功に必要なツールやプロセスをすべて利用できるからです。クラウドは日々進化しています。クラウドで利用できるツールや機能は、オンプレミスで利用できるものと遜色ないと考えています」。

ダッソー・システムズのビジネス・パートナーであるAdaptiveが、Xos社の3DEXPERIENCE プラットフォーム導入をサポートしています。

「Adaptiveとの連携による最も重要な価値は、コミュニケーションを図り、サポートを受け、ビジネス継続に必要なサービスを利用できることです」。

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Xos社は、3DEXPERIENCEプラットフォームでENOVIAを使用して、パートナー・ネットワークと効率的に連携しています。(Image © Xos)

強力なバリュー・ネットワークの構築

24時間体制で需要に対応しているXos社は、バリュー・ネットワークとの緊密かつ安全な連携を重視しています。

3DEXPERIENCE プラットフォームのENOVIAにより、パートナー・ネットワークを当社の環境にシームレスに追加して、必要な特定のデータに安全にアクセスすることで、効率的な連携を実現しています。当社は、連携的な作業により、バリュー・ネットワークとのイノベーションを管理しています。メールを使わずに、全員が効率的に迅速にやり取りできることがとても役立っています」。

「クラウドにより、時間帯や企業を超えた相互運用が実現でき、さらにチームのパートナーとの連携面でもメリットがもたらされます。従来のCAD環境では、このような柔軟性はありませんでした。別のタイムゾーンのチームが特定のプロジェクトを続行し、翌朝、彼らが中断したところから、作業を続行できます。このアプローチにより、生産性を大幅に向上させています。」

「クラウドにより、時間帯や企業を超えた相互運用が実現でき、さらにチームのパートナーとの連携面でもメリットがもたらされます。従来のCAD環境では、このような柔軟性はありませんでした。

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Xos社 CEO Dakota Semler氏

カスタム設計

Xos社独自のバッテリー・システム X-Pack およびモジュール型シャーシ X-Platform は、中型および大型商用車向けに設計されています。

「当社のお客様が選ばれている理由の一つが当社の技術です。たとえば、セル・レベルから作り上げたる当社独自のバッテリー・システムです。車両を制御してすべてのパワー・エレクトロニクスと車載安全システムを動作させるソフトウェアも開発しています。さらに当社のモジュール型シャーシ・プラットフォームは、さまざまな商用車の用途に幅広く対応することができます。これには、宅配用のトラック、クラス8のトラクター、特殊車両に至るまですべてが含まれます」(Semler氏)

Xos社は、3DEXPERIENCEプラットフォームにより、さまざまな要素をすべて同じ環境で管理しています。

3DEXPERIENCE プラットフォームの最大のビジネス・インパクトのひとつは、エンジニアリングおよび設計など、既存の部署をまたいで拡張してビジネスをサポートできることです。パラメトリック・モデリングやルーティング用の組み込みツール、特定のエンジニアリングやサーフェシング・ツールなど、すべての機能を単一のシステムで利用できます。さらに非常に革新的なのは、これらをPLMに直接反映させる機能です。これにより、チームをスリム化して迅速に業務を進めて、最終的により少ないリソースでより多くのこと実行しています」(Semler氏)。

同社は、これらの機能により、顧客固有の安全性、セキュリティ、信頼性、持続可能性の要件を満たす、カスタムメイドのトラックを開発しています。

「ENOVIA Configuration Managementが、顧客のニーズを満たす重要な役割を果たしています。ビジネスの性質上、当社は高度な構成が可能な製品を開発しています。ENOVIAにより、すべてのバリエーションを把握して、以前よりもはるかに効率的な方法で変更を管理しています」(Sommer氏)。

同社は現在、DELMIAの導入を進めており、増え続けている製造工場における設計と管理に使用する予定です。

「DELMIAは、今後数年間の当社の成功のために重要な役割を果たします。当社の成長に伴い、世界中で新たな施設を迅速かつ効率的に立ち上げる企業力が必要となっています。これを達成するためのひとつとして、DELMIAが主要な役割を果たすと考えています。特にクラウドでどこからでも充実した機能を利用できることがその理由です」(Sommer氏)。

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Xos社は、電動車の顧客への提供する際、関連する充電インフラとメンテナンス・サービスを合わせて提供して、これらすべてをクラウド版の3DEXPERIENCE プラットフォームで管理しています。(Image © Xos)

Xosphere™

Xos社のフリート・アズ・ア・サービスXosphere™は、充電インフラ、車両メンテナンス、リース・融資オプションなど、包括的な一連の製品およびサービスをひとつの直感的ユーザー・プラットフォームで提供し、ディーゼル車から車両電動化への移行を容易にしています。

「当社は、Xos電動車のお客様への導入の際に、関連する充電インフラとメンテナンス・サービスも合わせて提供しています。これらすべてをクラウド版の3DEXPERIENCE プラットフォームで管理してます。社内では、最初トラックは技術で売れるが、2台目以降はメンテナンス、サービス、サポートで売れる、と言っています。特に、毎日長時間道路を走る商用車にとって、メンテナンスは非常に重要な要素です。これは、車両オーナが管理し、最終的に削減すべき中心的なコストのひとつです。車両のあらゆる側面を3DEXPERIENCEプラットフォームで取り扱うことで、稼働率をさらに高めることができます。また、必要な関連サービスやサポートの提供ための可視化も実現しています」(Semler氏)。

Xos社は将来を見据えて、車両オーナーやオペレーターによるエレクトリック・モビリティのより簡単に導入できることを目指しています。

3DEXPERIENCE プラットフォームにより、エンジニアリング中の新製品を含め、意欲的な多くの取り組みを進めています。サービス・チケット、車両サポート、エネルギー管理などの車両管理ツールを含む、Xosphereサービスのポートフォリオを構築するためにも、このプラットフォームを活用しています。最終的には、3DEXPERIENCEプラットフォームにより、XosphereをXos製トラックだけでなく、すべての車両資産を管理する単一のツールにすることを考えています」(Semler氏)。

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Xos社について

Xos社は、クラス5からクラス8までのバッテリー駆動の電動車およびその導入ツールを提供している、大手車両フリート・サービス・プロバイダー、OEMです。同社の車両および車両管理ソフトウェアは、物流拠点と配送先を結ぶラストマイルを毎日最長440キロ往復走行している中型・大型商用車向けに設計されています。同社は独自の技術を活用して、内燃エンジンよりもメンテナンスが容易で総所有コスト(TCO)効率の高いゼロ・エミッション車を商用車向けに提供しています。

本社:カリフォルニア州 ロサンゼルス

詳細情報:www.xostrucks.com

Adaptive > ダッソー・システムズ

TriMechグループ企業である Adaptive Corporationについて

TriMechグループ傘下のAdaptive Corporationは、ビジネス・プロセスの合理化、コスト削減、製品ライフサイクル全体の効率改善をサポートする技術を適用してイノベーションを実現しています。同社独自の「Digital to Physical」製品ポートフォリオには、CAD、CAE、PLM、ビジネス・アナリティクス、計測、3Dプリンティングが含まれています。同社は、製品計画、開発、製造、アフターサービス全体を通じて、顧客のコスト削減とサイクルタイム短縮を支援するソリューションと提供しています。

所在地:オハイオ州 ヒューストン