MG McGrath社

建築外装業界をリードするアワード受賞企業である同社は、産業および商業建設の革新的な建築ガラス、金属、複合サーフェスおよびシステムの設計、建築製作、設置を行っています。MG McGrath社の最も貴重な資産は、すべてのプロジェクトにおいて卓越性と革新性を追求することに取り組んでいる同社の人材です。社員のスキル、ナレッジ、経験が不可能を可能にしています。

「細部へのこだわりと、どのような課題であれ解決策を見い出すことができることが、クライアントが当社を選ぶ理由です。当社は、すべてのプロセスを通じて、パートナーとしてクライアントと協業しています。実現できるという姿勢とパートナーシップの意識が、競合他社との差別化要因といえます。」（MG McGrath社、Mike McGrath社長）

新規建築プロジェクトには芸術美的な側面が求められるだけではありません。斬新な設計および前例のない建築期間の提案が新規ビジネスを獲得するために必要です。MG McGrath社は、品質を高めて範囲を拡大しながら、コスト削減と建設期間短縮することがトレンドであることを認識しています。

「構造物の複雑さがより増しています。その結果、建設マネージャ、ゼネコン、施主は、これまでにない独創性を当社に求めています。また同時に、より早く、より低コストでプロジェクトを完了する必要もあります。10年～15年前に比べ、当社に求められていることは激変しています。」（McGrath氏）

「今日、品質を高めて範囲を拡大しながら、コスト削減および建設期間を短縮することが求められています。このように、さらに困難な課題に直面していますが、どのような複雑な案件であっても、従業員の能力を信頼して成功させるという当社の価値観を見失うことなく、品質に対する当社の評判を維持するという信念は不変です。」（McGrath氏）

建築面での課題が増す中、MG McGrath社は、設計から建築製作までのプロセスをデジタル化してクライアントや従業員に提供する環境を向上させることを決定しました。モデルベースのプロセスによる3Dモデルは、設計やエンジニアリングの段階だけでなく、プロジェクト全体を通じて設置、コーディネーション、調達に反映させることができます。

10年以上にわたってダッソー・システムズのCATIAアプリケーションを使用しているMG McGrath社は、コンセプトから建築製作に至るまで開発を合理化するために、3DEXPERIENCE®プラットフォームおよびクラウド版のインダストリーソリューションを採用してさらに1歩先に進むことを決定しました。

「当社は、いくつかのタイプのソフトウェアやプラットフォームを精査した上で、ダッソー・システムズのソリューションを採用しました。3DEXPERIENCEのアプリケーションと同様の機能を提供できるソフトウェアは現時点で他にはないと考えています。「当社は、より使いやすく信頼性の高いソリューションを獲得して、独創性の限界をさらに押し広げています。さらに、クラウド版のソリューションにより、ITインフラのコストを削減できます。また、全米にわたって業務に携わっている当社の従業員が、どこからでもクラウドのデータにアクセスできます。」（McGrath氏）

コロラドスプリングスのパイクスピークのふもとにある、6万平方メートルの敷地に所在する米国オリンピック博物館（USOM）は、MG McGrath社が最近手がけたプロジェクトのひとつです。これには、米国オリンピック殿堂、高度な双方向コミュニケーションが可能な展示スペース、最新式のシアター、カフェ、ギフトショップ、放送スタジオが含まれます。

「米国オリンピック博物館の目的そのものが独創的です。オリンピックの唯一無二のアスリートと同じように、建築家、ゼネコンおよび当社は、この建造物を際立つものにしたいと考えていました。美しい三角形のサーフェスとダイヤモンド模様、そして背後には息を呑むような風景と山並みが広がってます。建築物を目の前にして誰もが驚きを覚えるような、完璧なインパクトを生み出したかったのです。」（MG McGrath社、バーチャル・デザインおよび建設担当ディレクター、Lee Pepin氏）

MG McGrath社は、USOMの外装・サーフェスの建築製作に選定されたとき、3DEXPERIENCEプラットフォームがこのプロジェクトに適したソリューションであることを認識していました。

「今後長年にわたって存続し続ける、このようなアイコニックな建造物に携わることができたことは、当社にとって極めて重要であり、大きなメリットをもたらしています。このプロジェクトに使われたパネルは、同じ大きさや同じ形状のものは1つもありません。例えば、9,000枚以上の屋根板があり、さまざまな制約があります。3DEXPERIENCEプラットフォーム以外にプロジェクトを遂行する方法は見当たりませんでした。」（McGrath氏）

「この建造物は、独自の構造用鋼材のみならず湾曲や形状なども非常に独創的です。コーディネーション面で多くの課題に直面しましたが、ソフトウェアを使用して、最終的に金属パネルで16インチの公差を達成することが何よりも絶対的に重要でした」（GE Johnson Construction社、MG McGrath社およびUSOMプロジェクト担当建設マネージャ、John McCorkle氏）

MG McGrath社は、インダストリー・ソリューションの強力な機能と柔軟性を活用して、USOMの金属パネルとファサード・システム、カーテン・ウォール、ストアフロントの設計および建築製作を行っています。

「建設前の段階でファサード外観のさまざまな設計反復を迅速に行い、選択された設計をまず仮想的に確認して、現場で実装する完成品に仕上げています。このプラットフォームのモデル・スペースにより、建築家やゼネコンが実際に建造物を表示してズームしながら具体的に確認できます。これにより、関係者が前後のプロセスを滞りなく確認してシンプルな意思決定を行えます。

さらに、設計変更と同時にデータが更新されるため、古い情報に基づいて作業することがなくなります。ENOVIAにより、設計からプロジェクト管理、建築製作、現場での設置に至るまで、すべての関係者がモデルにアクセスして要点を把握しながら作業方針を決めることができます。まさにシームレスな連携です。」（Pepin氏）

「3DEXPERIENCEプラットフォームを使用する前は、ファイル処理に多くの時間を費やしていました。また全員が同じ情報を共有して最新のプロジェクト・データに基づいて作業していることを確認する必要がありました。ENOVIAにより、このような無駄を省き、プロジェクトのコンテンツに注力することができ、関係者が最新のファイルを使っているかどうか心配する必要もなくなりました。」（MG McGrath社、バーチャル・デザインおよび建設担当、Neil Meredith氏）

MG McGrath社のエンジニアは、仮想の可視化機能を多用できるだけではなく、3DEXPERIENCEプラットフォームのメタル・シート・ツールをUSOMプロジェクトで初めて使用してその効果を実感しています。

「メタル・シート・アプリケーションは、これまでになかった大きな差別化要因を当社にもたらしています。例えば、3Dでコーナーを表示してすべての条件とコーナーが合致していることを確認できますが、これを建物全体のスケールで可視化することはできませんでした。実際にモックアップを製作しなければ、詳細なレベルまで掘り下げることができないため、３DEXPERIENCEは大きなメリットです。さらに、シート・メタル・ツールを使って、ジオメトリーの詳細を迅速に定義して、制作用に調整された展開パターンを取得できるのは本当に有意義なことです。」（Meredith氏）

「仮想パネルを作成して、プロジェクト全体のすべてのジオメトリを極めて厳密にコントロールすることで、実際の製作、テスト、物理的な建築製作、廃材の処分という従来の一連のループをすべて回避できます。さらに、3Dによるサーフェスの高度な可視化により、施主がデザインに対してより直接的なアプローチを選択できます。これにより、いくつかの矛盾/相反する要素を早期に解決して、最終的な完成品に自信を持つことができ、施主の不安材料を大幅に減らしています。」（McGrath氏）

「McGrath社とは、[USOM]プロジェクトの当初から一緒に仕事をしてきました。McGrath社との連携およびCATIAがなければ、コーディネーション面のすべての問題点を解決するために時間を要し、プロジェクトのスケジュールに大幅な遅れが生じていたと思います。」（GE Johnson’s McCorkle社、McCorkle氏）

外部の関係者だけでなく、MG McGrath社が建設期間短縮を実現している現場でもコミュニケーションが改善されています。CATIAの使い方を知らないユーザーもプラットフォームのENOVIA Design Reviewerでモデルを開いてレビューしたり、断面を確認したり、デジタル・モックアップを分析できます。

「テキスト・ベースのドキュメントよりも明確で理解しやすい3Dモデルを現場に提供することで、建築製作中に要する確認時間も大幅に短縮しています。非常にわかりやすい資料を作成するには、多くの時間と労力が必要ですが、実際のモデルを現場に提供することで、コンポーネントの製作および組み立てを担当する作業員が組み合わせを容易に理解できます。

これまでCATIAを使用してきた理由は、このような複雑な設計に対応できる最強の3Dエンジンだからです。さらに今は他の情報にもアクセスできるようになっています。ENOVIAは、プロジェクトの既存の情報を活用する新しい手段をもたらしています。」（Meredith氏）

例えば、建築物の設計、詳細設計、具体的な作業を行うとき、多数の情報を3DEXPERIENCEプラットフォームに保管して、これまで情報にアクセスできなかったさまざまなユーザー・プロファイルがWebブラウザを通じてアクセスできます。

プロジェクトの関係者がダッシュボードを使用して、原材料の必要量や製作個数など、プロジェクトに不可欠な情報を入手できます。またユーザーがダッシュボードをカスタマイズして、各自にとって重要な情報のみを表示できます。このように、プロジェクトの状況を明確に可視化して把握できる、非常に強力なコミュニケーション・ツールでもあります。」（Meredith氏）

CATIAアプリケーションは時間節約とナレッジ共有の他にもメリットをもたらしています。MG McGrath社の設計者が将来のプロジェクトで再利用および適用できる汎用的なコンポーネント・テンプレートを作成できます。

「特定の課題に対する単一のテンプレートではなく、数年後に起こり得るいくつかの課題にも対応するソリューションといえます。3DEXPERIENCEプラットフォームは、よりカスタムなソリューションをより手頃な価格で提供しています。さらに、このプラットフォームを使用するもう一つのメリットは、プロセスを自動化して多くの反復作業を排除できることです。」（McGrath氏）

例えば、MG McGrath社は、1万個の部品を手作業でモデリングする代わりに、CATIA Template DesignerおよびEnterprise Knowledge Languageを使用して反復タスクを実行しています。「プロセスやワークフローの自動化により、迅速な変更を実現しています。部品が取り消されたり誤って廃棄される心配もありません。当社は、自動化プロセスにより、建築製作や建設に対して必要な同じ結果が得られることを確信しています。」（Meredith氏）

「3DEXPERIENCEプラットフォームがビジネスにもたらす最大のメリットは、おそらく以前は決して達成できなかことが可能になったことだと思います。このプラットフォームがなければ、非常に労働集約的な仕事が続けられ、今日の競争力を維持することはできなかったでしょう。例えば、15～20年前には、当社は複雑な部品やコンポーネントを手作業でレイアウトするのに何百時間もかけていました。それが今では、数時間で同じことが行えるようになっています。ソフトウェアによってジオメトリのより詳細な分析ができるため、さまざまなタイプの形状やサーフェスの施工性に関連するフィードバックを迅速に提供できます。3DEXPERIENCEは、さまざまな関係者のやり取りを大きく刷新しています。」（McGrath氏）

MG McGrath社は、非常に有効なソリューションを補完して、同社の最も貴重な資産である人材の可能性をさらに広げています。

「将来的には、技術をさらに推進して、可能な限り最大限に活用したいと考えています。「3DEXPERIENCEの技術を活用して、プロセスをさらに効率化することで、当社の能力を高め続けていきたいです。」（McGrath氏）