開発に対する考え方を刷新
開発に対する考え方を刷新 の統合に成功しました。 現在、自動車には多くの電子コンポーネントが組み込 まれており、その重要性はいっそう増しています。Bosch 社は、エンジンやトランスミッションの操作、アンチロッ ク ブレーキ、レーンキーピング アシスト、エアバッグ、駐 車アシストおよびパワーステアリングの電子制御システ ムを開発しています。
自動車業界では、極端な温度や強い振動にさらされ る自動車の制御システムに対し、とりわけ厳しい要件が 課されています。そのため、自動車の制御システムを開 発し、製造するのは技術的に容易ではなく、その工程は 非常に複雑です。
この問題をなんとか解決したいと考えたBosch社の自 動車機器テクノロジーセクターは、プロセスの合理化と 標準化による作業効率の向上を目指すプロジェクトを 発足させました。
「エンタープライズITの視点で見た場合、使用するアプ リケーションの数を減らし、長期的な持続性を確保する ことが我々の目標の一つです」 とシュトゥットガルト(ドイツ)のBosch社コーポレートIT部 門でエンジニアリングアプリケーションを担当する Lutz Napiwotzky氏は述べます。
プロセスチェーン全体に注目
従来の開発プロセスをBosch社内の専門家が分析し たところ、すぐに改善すべき点が見つかりました。同社 では、一貫したデータ管理手法が採用されておらず、各 部門が別々にデータを構築し、それらを異なるシステム に保存していました。その結果、コンポーネントの使用 状況をトラッキングして把握するのが難しく、ときには、 まったくできませんでした。
「製品の品質を一定水準に保ち、さらに質を高めるに は、どのコンポーネントがどの段階でどのシステムに組 み込まれるかを常に把握しなければなりません。しか し、そうしたコンポーネント レベルのデータをなかなか 入手できないのですから、ましてや自動車モデル全体 の情報を得ることは不可能でした」と Napiwotzky氏は語 ります。
現在、3Dエクスペリエンス・プラットフォーム・アプリケ ーションであるENOVIAを導入したBosch社のエンジニアた ちは、部品が組み込まれる装置、さらにそれらの構成や 素材に関する全情報を正確に把握しています。データと プロセスを管理する強力なシステムであるダッソー・シス テムズのENOVIAのおかげで、Bosch社の自動車機器テクノ ロジーセクターは、電子技術に関わるプロセスチェーンの統合に成功しました。
Bosch社がENOVIAを採用した理由は、自社のITアーキテ クチャにENOVIAをシームレスに統合できること、そしてダ ッソー・システムズにプロジェクトを成功に導く専門知識 と技能があることでした。さらにENOVIAがBosch社のグロ ーバルな製品開発体制を最適な形でサポートするソリ ューションであることも決め手となりました。
ライブラリは『開発の頭脳』です。業務に 必要なあらゆる情報を一元管理できるの で、あるコンポーネントを新製品で使えるか どうかや、そのコンポーネントが製造中止に なった時期などを簡単に調べられます
ENOVIA を活用した標準化
現在Bosch社では、ENOVIAをベースとするITソリューシ ョンを活用して自動車機器テクノロジーセクター全体に おいて標準化された開発手順を導入し、制御装置を開 発しています。
シュトゥットガルトの名門企業であるBosch社にとって特 に有用だったのは、ENOVIAが提供するコンポーネント・ ライブラリの構成とバージョン管理の機能です。
「ライブラリは『開発の頭脳』です。業務に必要なあらゆ る情報を一元管理できるので、あるコンポーネントを新 製品で使えるかどうかや、そのコンポーネントが製造中 止 に なっ た 時 期 などを 簡 単 に 調 べら れ ま す 」と Napiwotzky氏は説明します。
Bosch社の自動車機器テクノロジーセクターのライブラ リは、ENOVIAですべて管理され、エンジニアがリリース した部品データはすべて一夜のうちに自動的にCADラ イブラリに転送される仕組みになっています。
そのため、CADライブラリのデータは常に最新のリリ ースされたコンポーネントとモジュールのデータによっ て構成されています。
ENOVIAはロールベースの管理機能も提供します。グ ローバル規模の合弁プロジェクトでは、複数のパートナ ー企業が一つのワークスペース内でコラボレーション を展開する場合がありますが、そうしたときに、適切な 範囲の情報にアクセスする権限を各パートナー企業に 付与できます。
他部門にも改革が波及
現在、世界各地で、2,000人を越えるBosch社の開発者 が ENOVIAを使用しています。
そして、自動車機器テクノロジーセクター以外の産業 機器や消費財に関連する事業セクターでも、導入を求 める声があるとNapiwotzky氏は主張します。
「たとえば自動車機器テクノロジーセクターでは、設計 からレイアウト、テストや検証から生産までを統合プロ セスとして管理していることを他部門のスタッフに見せ ると、皆、強い関心を示します」と語ります
Bosch社では今、ENOVIAの他部門への導入の可能性に ついて、検討が行われています。
2010 年に Bosch社は ENOVIA V6 に移行しましたが、これ が同社における IT 環境の継続的な維持と開発の新た なきっかけとなりました。Bosch社特有の機能の一部が ENOVIAの標準機能として実装され、同社は、「一般市場 で入手できる、保守が容易で継続的に使用できる標準 的な IT ソリューションを活用する」という目標にさらに 一歩近づきました。
Bosch 社自動車機器テクノロジーセクターについて
Bosch社の自動車機器テクノロジーセクターは Bosch グル ープ内で最大の事業セクターです。世界大手の自動車部品メ ーカーとして、幅広い製品やサービスを提供しています。
製品: ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、 エレクトリックパワートレイン、 自動車のアクティブおよびパッシブセーフティ、 自動車向け電気/電子装置、 モバイル コミュニケーション
売上高: 311 億ユーロ (2012 年)
従業員数: 167,000人
本社: シュトゥットガルト(ドイツ)
詳しくはこちらをご覧ください。www.bosch.co.jp