Bold Valuable Technology

Bold社は、Efficient Multi-Energy Platformインダストリー・ソリューションを活用して、モータースポーツ、海洋、航空宇宙アプリケーションのカスタム高電圧バッテリーシステム全般の設計とエンジニアリングを行っています。クラウド版の3DEXPERIENCEを利用して、同社は最先端技術を迅速に市場に投入し、コンセプトから生産までシームレスなデータ・フローで、製品ライフサイクル全体を管理しています。

高性能バッテリーで電動化を加速

バルセロナ・カタルーニャ・サーキットを見下ろす最新鋭の施設に、電動化および航空宇宙業界最高の頭脳が集結し、電気自動車(EV)のイノベーションの可能性を押し広げています。彼らは、高性能バッテリーの開発を専門とするBold Valuable Technology社に勤務し、Bold社の創業者も含めて、ペースの早いフォーミュラ1(F1)の世界でスキルを競い合ってきました。同社のエンジニアリング・チームは、その卓越した才能を発揮して、ドライバーズ・チャンピオンシップやコンストラクターズ・チャンピオンシップで追求してきたのとの同じ、妥協を許さない姿勢、エネルギー、スピード感で、航空宇宙、モータースポーツ、海洋アプリケーションの電動化技術の規模を拡大させています。

Bold Valuable Technology社の最高執行責任者であるGerard Torres氏は「当社のミッションは、F1のバッテリー技術を大規模に活用した、すべての人のためのモビリティ電動化です」と述べて次のように続けています。「F1における経験上、イノベーションの限界を押し広げるためにスピードを加速させることは私たちにとって当然であり、このマインドセットを陸海空での電動化でも適用したいと考えています。」

F1チームから大手航空宇宙企業までが、高エネルギー密度、軽量性、優れた安全性で知られた最先端エネルギー貯蔵ソリューションを求めるほど、Bold社の知識は豊富なものです。同社は、カスタム高電圧バッテリー・システムの開発、複合材の専門知識を応用したバッテリーやインバーターのエンクロージャ軽量化を顧客から求められています。

「あるプロジェクトではアルミニウムを高度な複合材に置き換えて、安全性や排出ガス試験などの面で同じ要件を満たしながら、45%の軽量化筐体設計を実現しました」とGerard Torres氏は述べて次のように続けています。「複合材料の探索、選択、検証をすべて3DEXPERIENCE プラットフォームで解決しています。」

Bold社は、創業当時からクラウド版の3DEXPERIENCE®プラットフォームにて、製品開発全般を管理しています。

「当社のエンジニアは、大きなプレッシャーやスピード感のある環境に慣れています。何が必要なのか強いていえば、それは市場のベスト・ソリューションです」とGerard Torres氏は述べて次のように続けています。「3DEXPERIENCE プラットフォームとアプリケーションがあれば、他に何も必要ありません。」

3DEXPERIENCE プラットフォームを使えば、何もないCADの画面から、製品化まですべてを行うことができます。

Bold Valuable Technology社Gerard Torres氏の写真 > ダッソー・システムズ
Gerard Torres氏
Bold Valuable Technology社 最高執行責任者

3DEXPERIENCEスタートアップ向けプログラムの採用によるローリング・スタート

新興企業であるBold社は、利用できるリソースを最大限に活用して、可能な限り迅速かつ効率的に取り組む必要があります。3DEXPERIENCE EXPERIENCE for Startupsプログラムは、CATIAやENOVIAを含むクラウド版の3DEXPERIENCEソリューション・スイートを手頃な価格ですぐに利用でき、オンライン・トレーニングやサポートも受けられるため、スタートアップ企業である同社にとって理想的でした。同社は、信頼できる技術パートナーであるTECHNIAと提携して、プログラムを利用し、プラットフォームでの作業を開始しました。

「最高のリソースを活用して、3DEXPERIENCEの極めて広範なアプリケーションを利用できたことが、当社のこれまでの成功の鍵でした」とGerard Torress氏は述べています。「クラウド版は極めて迅速にセットアップおよび管理でき、世界中のどこからでもチーム間のシームレスな連携をサポートできます。」

Bold社は、当初からTECHNIAとのパートナーズを通じて、ビジネスの成長と進化に合わせて必要な技術サポートを利用しています。これにより、同社が最も得意とすること、つまり顧客のエンジニアリング上の課題に取り組むことに集中できるようになりました。

「TECHNIAは、すべての段階で当社にとって真のパートナーです。そのサポートにより、限界を押し広げて、大きな課題を解決することができました。スタッフが増えるにつれ、新たなプロセスやライセンスが必要になります。ときには、一晩で課題を解決する必要もありましたが、TECHNIAは迅速に対応してくれました。このように、顧客サポートも支援してくれます」。

Bold Valuable Technology社は、クラウド版の3DEXPERIENCE プラットフォームを、カスタム高電圧バッテリーシステム全般の設計およびエンジニアリングに活用しています。電気航空機用のBoldAirバッテリー・パックを設計中のJon Ander Ferri氏

電気航空機用の次世代バッテリー・システム開発

Bold社は最新のバッテリー開発において、最先端のセル技術とカーボン・ファイバー製構造アセンブリを組み合わせています。これにより、軽量かつ高度に最適化されたエネルギー貯蔵システムを実現しています。また、業界をリードする熱暴走抑制特性により、リチウム・イオン電池の過熱による自己破壊を防止して、予期せぬ事態でも熱暴走を抑制できます。このように、同社のエネルギー製品は高性能アプリケーションに最適であり、航空宇宙分野の厳しい安全要件を満たすのに理想的です。

Bold社の業務の性質上、まったく同じバッテリー・パックはありません。電動化技術チームが事前に選択したセル配置に基づいて各モジュールを設計後、特定の利用ケースごとに必要な機械的パッケージングと冷却システムを開発しています。これらの作業がすべてCATIAで行われています。

Bold Valuable Technology社のシニア・デザイン・エンジニアであるJon Ander Ferri氏は、「このような高い性能と安全性の要件を達成するには、適切な材料の選択が必要です」と述べています。「材料選の択は、多くの場合、当社の知識と経験に基づいていますが、CATIAの多くの機能により、効率を向上しています。たとえば、プラスチック射出成形部品の製造では、材料が滞留する箇所をチェックし、どこの改善が必用かを特定できます。」

エンジニアは3DEXPERIENCE プラットフォーム内で作業を共有できることも利点です。チームが同じ製品を同時並行して作業を進めることができ、修正点を容易に追跡できます。

「バッテリー・エンクロージャの開発には、CATIAの部品設計モジュールを使用しています。これにより、非常に精密な機械部品を作成できます」とJoan Ander FERRI氏は述べています。「チーム全員がそれぞれプラットフォームに保存すると、全員がコンポーネントにアクセスでき、よりおおきな範囲でのアセンブリの塊でで確認できます。変更が必要になっても、個々のコンポーネントに容易にアクセスできます。下位レベルの変更は自動的に上位に反映されます。また、設計から直接部品表をリリースできるため、人的ミスのリスクを排除できます。」

このような効率化により、開発期間を短縮するだけでなく、設計変更を追跡しながらコスト削減も実現できます。これは、未成熟な電気航空市場向けに新しいバッテリー・システムを開発する場合に重要な要素です。

「さまざまな開発段階を極めて迅速に進めて、開発中のコンポーネントひとつひとつのトレーサビリティーを維持し、最終的に生産を投入しなければなりません」とGerard Torres氏は述べています。「3DEXPERIENCE プラットフォームにより、達成可能な限界を押し広げて、最適な技術を顧客に提供できます。」

左側:Gerard TORRES氏、COO - 右側:Bernat CARRERAS, CEO (© Bold Valuable Technology)

単一のイノベーション環境がバックボーン

Bold社は、自社内に製造工場と検査工場を備え、リードタイムの短縮を図るとともに、エンドツーエンドの開発プロセスを完全に管理して定評ある品質を保証しています。また、3DEXPERIENCE プラットフォームのENOVIAを製品ライフサイクル管理(PLM)のバックボーンとして活用して、信頼性の高いデータ管理機能により、開発段階から次の段階へと、移行中に情報を失うことのない、シームレスなデジタル・スレッドを確保しています。

「構造的、電気的、熱的な課題に対処する必要があります」とBold Valuable Technology社のリード・バッテリー機械設計エンジニアであるPau Martinez氏は述べています。「このため、複数の専門分野が連携して、すべてのを理解して統合する必要があります。3DEXPERIENCEプラットフォームは、必用なアプリケーションがすべて1つにまとまっており、クラウド・ベースなので、世界中どこにいてもコラボレーションが可能です。全員が同じデータを見ることができます。」

「このプラットフォームの優れた点のひとつは、製品ライフサイクル全体を管理できることです。これは、新製品の開発を白紙の状態からスタートする場合に特に重要です」とJoan Ander FERRI氏は補足しています。「1つの場所でリリース・プロセスを管理し、テンプレートを定義し、各プロセスに必要なステップ数と人員を決定できます。」

同社のチームは現在、3DEXPERIENCE プラットフォームを使用して、高度な航空モビリティ用途向け特別に設計された、市場をリードする、1キログラムあたり285ワット時の出力である高電圧バッテリー・システム、BoldAirを開発しています。Bold社は、白紙の要求事項から設計検証計画、報告書の段階までを非常に短期間に完了して、数ヵ月以内に生産を開始できるようにしています。

「以前は、コンポーネント毎に何千ものファイルをリリースして管理する必要がありました」とGerard Torres氏は述べています。「3DEXPERIENCE プラットフォームを使えば、何もないCADの画面から製品化まですべてを行うことができます。」

BOLD Valuable Technology社の高性能バッテリー製造

急成長への対応

Bold社は、従業員数が増えて、より大規模で複雑なプロジェクトに取り組むようになっていますが、同社は3DEXPERIENCEプラットフォームが新しい人材を引きつけ、バルセロナの施設外への事業拡大があっても、ビジネスとのつながりを維持できると考えています。

「3DEXPERIENCE プラットフォームは、ビジネスのさまざまなレベルにおいて戦略的なソリューションを提供します」とGerard Torres氏は述べています。「3DEXPERIENCEとCATIAを使用していることを採用候補者に伝えることができるのは、本当に助かります。最近英国で拠点を立ち上げ、米国への進出も検討していますが、全員がシームレスに連携して仕事をするためには、このプラットフォームを使うしかありません。」

3DEXPERIENCE プラットフォームにより、Bold社はF1で培った電動化技術を大規模に利用できるようにするというビジョンを実現し続けて、要求の厳しいアプリケーション向けのエネルギー貯蔵ソリューションのリーダーになるための評判を高めています。

「すべてのビジネスが顧客の課題解決を目的としているのではないでしょうか」とGerard Torres氏は述べています。「当社は、車両の電動化に最適なバッテリー・システムを提供しています。この最先端技術の開発に必要な最適なツールを備えていることを示すことが当社にとって非常に重要でした。創業当時から3DEXPERIENCE プラットフォームが当社にとって最適なソリューションであることは明らかでした。」

Bold Valuable Technology社ロゴ > ダッソー・システムズ

Bold Valuable Technology社について

Bold Valuable Technology社は、高性能の完成品バッテリーシステムと軽量構造ソリューションを設計、試験、製造、提供を行っています。同社は2019年、フォーミュラ1のバッテリー技術を大規模に利用できるようにするという目標を掲げて設立されました。同社は、エネルギー貯蔵ソリューションと炭素繊維材料に関する経験に基づき、航空宇宙における電動化のスピードを加速させる独自のポジションを築いています。

 

詳細情報https://boldvaluable.tech

technia logo > ダッソー・システムズ

TECHNIAについて

TECHNIAは、革新性、創造性、収益性を高める道を切り拓いています。グローバルなPLM企業である同社は、テクノロジーとイノベーションの実世界における活用に取り組んでいます。同社の取り組みは、卓越した機能を最新のソフトウェアとプロセスの開発に適用するリソースによって実証されています。新しい製品やプロセスがクライアントに提供できるメリットを習得して、多くの場合、、実際に提案する前に自社ビジネスにおいて探求および特定しています。